
老人党リアルグループ「護憲+」は、日本国憲法の基本理念である国民主権、平和、人権を護りたいと願い、「護憲」の視点に立った「世直し」を志す老人党有志グループです。
コラム「護憲+語憲」 :見習い期間 (09/06)
軍事力より防災力
年を追うごとに日本では自然災害が増えているという感覚をなんとなく持っていた。これまでに関わりのあった人たちが地震や台風による被害を受けた話を聞くたびに、災害が自分の周りに迫っている気がしていた。 自らが豪雨災害の影響を受け、帰宅困難者になる経験をしたことで、こうしたふわっとした意識が急変した。日本では自然災害への対策により多くの予算とマンパワーを費やすべきではないか。ヒト同士で争い傷つけ合うのではなく、過酷さを増す自然環境から人間同士が力を合わせて生活を守るべきである。
税収が増えているのなら軍事防衛費に予算を費やす前に、災害対策により多くの予算を割くほうが効果的ではないか。 そもそも日本では近年、自然災害、特に豪雨災害の激甚化・頻発化が指摘されている。豪雨災害に特化したデータではあるが、気象庁によれば、1時間降水量50mm以上の短時間強雨の発生回数は1970年代後半と比較して約1.5倍に増加している。また、日降水量300mm以上の極端な大雨の日数は約1.9倍となっている。 このような状況を踏まえると、国民の生命や財産を守るためには、軍事費の増額以上に防災・減災対策への投資を重視すべきである。
起こるかどうかわからない災害に対してお金を費やすのはコスパが悪いという意見もある。しかし、道路や橋、河川設備などのインフラストラクチャの強化は平時でも住民の生活の利便性を高める。また、事前防災に計画的に投資したほうが完全には被害を防げなくとも減災につながり、何もしないままだと災害発生後に復旧費に莫大な費用がかかると考えれば、むしろ費用対効果は高いのではないか。
災害は世界各地で発生しており日本だけで起こる事象ではないという反論も予想される。 たしかに災害が世界中で発生している事実に間違いはない。しかし、日本は地球上の陸地のわずか0.25%の中に世界のM6以上の地震の約18%が集中するなど、地理的・構造的に極めて災害密度が高い国だ。 なによりも、他国での災害発生にかかわらず「日本で暮らす人々の生命と生活基盤を守ること」がもっとも大切にされるべきであろう。世界中で気候変動や自然災害の脅威が増しているからこそ、軍事的な対立ではなく「自然災害対策の強靭化」に予算と技術を集中投入し世界をリードする防災・減災モデルを示すことで、「日本はすごい」と世界に誇れるのではないか。
|