
老人党リアルグループ「護憲+」は、日本国憲法の基本理念である国民主権、平和、人権を護りたいと願い、「護憲」の視点に立った「世直し」を志す老人党有志グループです。
コラム「護憲+語憲」 :笹井明子 (05/04)
戦後80年目の憲法記念日を迎えて
5月3日、憲法記念日のこの日、有明防災公園では恒例の「憲法集会」が行われ、昨年をうわまわる3万8千人が集まり、憲法の意味、戦後日本を支えてきた役割と、これまで以上に重要になっている「存在意義」を確認しあいました。
ゲストスピーチで、日本被団協代表の田中煕巳さんは、昨年ノーベル平和賞を受賞した意味を、「(ロシアのウクライナ侵攻やイスラエルのガザ地区攻撃で核兵器使用の懸念が一層深まり)核兵器は絶対に使ってはいけないことを訴え続ける日本被団協の役割が必要と再評価された」と語り、次世代に向けて「これまでの被団協の努力を引き継ぎ、世界中に広めて欲しい」と訴えました。
立憲民主党の辻元清美議員は、「現在参院憲法審査会の野党筆頭幹事を務めている。衆院で自民党などが『緊急事態条項』の新設を求めているが、『憲法改正は必要ない』というのが自民、公明も含めた参院の意見だ。たとえ衆院でおかしなことになっても、参院の入り口で絶対変な改憲はさせない」と、国会議員としての自負を語りました。
前日の大雨が嘘のように、五月晴れとなったこの日、思い思いに芝生に陣取った参加者たちは、「LOVE憲法 世界に平和を!」「軍拡ではなくいのち・くらし」「ジェンダー平等 いますぐ実現!」と書かれたプラカードを夫々手にしつつ、家族で弁当を食べたり、笑顔で挨拶を交わしたり、壇上のスピーチに拍手を送ったりと、伸び伸びと寛いで過ごし、憲法がこれまで支えてきた「平和」「くらし」「平等」を満喫していました。
憲法前文には、 『・・・ 日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。 われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。 日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。』 と書かれています。
国内外の政治情勢、自然環境、日々の暮し、これら全ての面で危うさを感じさせられる昨今、私たち一人ひとりが「日本国憲法」の原点をもう一度思い起こし、その理想と目的の達成に向けて努力をすることが必要だと、改めて自覚させられた、戦後80年目の「憲法記念日」となりました。
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