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  明日へのビタミン!ちょっといい映画・本・音楽(第六期)
笹井明子    −    2008/08/18-17:51:28
映画も本も音楽も良いものは世代を超えて伝わります。そういう感動を共有できる空間で、世代が結ばれて、今日から明日へ、1日ずつみんなの思いを手渡していけたらすてきなことだと思いませんか。投稿お待ちしています。
0044 「冬の兵士・良心の告発」(田保寿一監督) 笹井明子 05/09 17:35
 
2008年3月、ワシントンDCでイラク帰還兵の証言集会が行われ、約50人の帰還兵が、現地で体験した占領の実態、住民虐殺について語り、イラクからの即時撤退を訴えました。今回、この集会での証言を中心にイラク戦争の現実を伝えるドキュメンタリー「冬の兵士・良心の告発」のDVDを見る機会がありました。

イラクで起きていた、あるいは、起き続けている恐ろしい事実を、私たちもある程度知っていると、これまで思ってきましたが、帰還兵たちが口々に語る事実は、若い彼らの苦しみの表情とあいまって、これまでの知識を越えた痛ましさで胸に迫ってきました。

不法に命を奪われ生活を破壊されたイラクの人たちの苦しみや怒りが消えることはないのは勿論ですが、攻撃した側の米軍兵士たちも、志に反して自分の犯した行為にずっと苦しみ続けています。

証言の中では、マスコミの操作で交戦気分を煽られること、「敵」は(人種的偏見やテロリストというレッテルにより)非人間化されることで容易に抹殺の対象になること、使命感を持って戦場に出て行っても、「殺すか、殺されるか」の状況に置かれると、モラルを失い残虐行為に傾斜することなど、戦争を知らない日本の若者たちにも是非分かってもらいたい、感じ取ってもらいたい、戦争の本質が語られています。

内容の詳細や上映会の情報、DVDの入手方法などが、当映画の公式サイトで見られます。機会があったら、是非一度この映画を見てみてください。
http://wintersoldier.web.fc2.com/        
 
0043 >>>>Re: 明日へのビタミン!ちょっといい映画・本・音楽(第六期) パンドラ 05/08 20:03
 
済みません

>0042で
表題が
馬遼太郎と藤沢周平になっていました
司馬遼太郎と藤沢周平に訂正させて頂きます。

    
 
0042 >>>Re: 明日へのビタミン!ちょっといい映画・本・音楽(第六期) パンドラ 05/08 19:11
 
馬遼太郎と藤沢周平「歴史と人間をどう読むか」  佐高信 著
http://item.rakuten.co.jp/book/1440511/

著者の佐高信は、三人の作家を評して
池波正太郎は職人、司馬遼太郎は商人、藤沢周平は農民
だと言っている。
言い得て妙だと思う。

司馬遼太郎は「戦争」を描くとき、司令官、大将の視点で書き
藤沢周平は一兵卒の視点で描いていた。
司馬遼太郎の上からの視点と藤沢周平の市井に生きる人の視点、。
どちらを好むかは読む人の嗜好であるが、この本の中のエピソードで
1982年第一勧業銀行シンガポール支店で為替投機の失敗によって
97億円にのぼる損失を出し、解雇された同支店資金課長は
解雇され、さらにご家族の不幸も重なった時、司馬遼太郎の作品が読めなくなったという。その時むさぼるように読んだのは山本周五郎の作品だったという。

サラリーマンが時代小説に共感を寄せるのは、現代の企業社会が「松下藩」「トヨタ藩」と名前を変えてもいい程の封建社会だからだと佐高は述べている。
そしてその封建社会を支えているのは誰なのか?
司馬は将だとといい、藤沢は一兵卒だという。

藤沢の視点がよく現れているのが彼の「信長ぎらい」というエッセイである。
藤沢は信長の殺戮を「無力な者を殺す行為を支える思想、権力者にこういう出方をされては庶民はたまったものではない」
と言っている。見事である。信長という時代小説の素材としてはかっこうの人物を批判し嫌うとは、佐高信が「心にオオカミを一匹飼っている」と評する藤沢らしいと思う。

司馬遼太郎の歴史小説に関してはこの本の中で、色川大吉が歴史小説と歴史叙述の違いについて鋭く述べている。
司馬遼太郎は日本の近代を「明るい明治」と「暗い昭和」に分断しそこには、見事に大正という時代と、大正デモクラシー、自由民権運動、などが抜け落ちている。

私は以前、森まゆみ著の「断髪のモダンガール達」で大正という時代の
女性達の活き活きとした生き方に触れ、大正という時代を見直した経験から
この色川の言葉には頷ける。

何故こんなに司馬遼太郎の歴小説が好まれ、それによりあたかも歴史上の人物が
小説の主人公とダブったような好感度を持たれるのか?

歴史学と歴史小説を全く同じ表面で論じる危険性を色川大吉は指摘している。
歴史小説と歴史著述は全く違う。
小説は自分が表現したいと思う理念を実現する為にフィクションを導入する事が可能であり歴史家はそれをしない、仮説は提起するものの、わからない事実は分からないと言って残すと述べている
そして文学者は歴史上の人物を描く場合人間の内部に立ち入って、それを深く掘り下げ、さらに広げて行くのに対し、歴史家は、その人間が置かれた歴史的規定性の方に重点を置いて叙述すると述べている。

歴史小説と歴史学この二つをあいまいにしてはいけない。
フィクションかノンフィクションかの違いと言ってしまえばそれまでだが
私が時々不思議に思うのは司馬遼太郎の小説に限らずNHKの大河ドラマの主人公だった
信長や篤姫をヒーロー扱いし「ああいう人が今の日本のリーダーだったら‥」
なんて真面目に言う人がいるということだ。
信長や篤姫に対する好悪は置いておくとしても、あんなフィクションだらけのご都合
主義の人物を本当にリーダーにしたいのだろうかと不思議になる。

私は中学生の頃、父親の影響で司馬遼太郎の「燃えよ剣」や「新撰組血風禄」などを
読み沖田総司にあこがれた時代もあった。

私の友人は、保守的な思考の人であるが、藤沢周平や山本周五郎などを好む。
互いの思想信条とは反対の読書歴というのも面白いものである。
                            
                             (敬称略)

    
 
0041 >>Re: 明日へのビタミン!ちょっといい映画・本・音楽(第六期) パンドラ 04/29 12:56
 
「戦下のレシピ」太平洋戦争下の食を知る 斉藤美奈子著
http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/70/9/7000370.html

戦時下の日本は飢えと疲労と苦渋の生活だった。
これは、私が「あの戦争を体験した人達」からも聞いた話だった。
今、改めて斉藤美奈子の「戦下のレシピ」を読むと
言葉ではとても表現しきれない、暮らしの中の「食べる」ということについて
リアルに考えさせられた。

その前にこの著者は戦前の日本の食生活がどんなものだったか調べている。
当時の日本の都市では、多彩な食文化が花開き今のレトロな「洋食」の類を
裕福な都市生活者は家庭でも作り繁華街の洋食屋でも食していたようである。
それに対して農村は、米を小作料として収穫の半分以上を物納させられており、その他の米は現金収入を得るための商品だった。
自分達が耕した白米を口にする事はなく、くず米に丸麦や押し米を混ぜた麦飯や
あわ、ひえ、きび、などの雑穀類や芋やおかゆや雑炊が主食だった地域もあった。
それに昭和の初期は東北地方で冷害による米の凶作が続き、栄養失調の子ども
娘の身売り、飢えて亡くなる人達が後を絶たず、元々農村の食生活は悲惨だったので
ある。

こう書いていてもそれがどんな食感なのかどれほど口に合わないのか私には
わからない。今の時代、雑炊やすいとんと言ってもしっかり出汁がとってあり
野菜がたっぷり入った熱々の美味しいものしか、食す機会がないからである。
元々戦前の日本は究極の格差社会で、都市と農村という地域差だけでも貧富の
差が激しかった。

都会では中流以上の富裕層が師弟の教育にも熱心になり、女学校なるものが出来てくる。「良妻賢母」の製造所みたいな女学校と、当時の婦人雑誌などが
「手づくりの料理は母の愛情のあかしである」という家庭料理イデオロギーをつくり広めたのだという。
「できあいのお総菜で済ませるのは主婦の、怠慢、手抜きである」
という思想は現在も根強く残っているが、そんな考えはこの当時の「婦人雑誌」などの
メディアによってつくられたものだと著者は述べている。

家庭の食卓が飯と漬け物だけだった時代(地域)にはこんな考え方は何処にも
なかったし、裕福な家庭では炊事は使用人の仕事であり、忙しい商家や農家では
主婦も大事な労働力だった。
愛情と料理の間には本来何の関係もないのだ、と言いきる著者の言葉に私は目から
鱗の思いがした。

こうして「家庭料理イデオロギー」の広報に邁進した当時の婦人雑誌には
戦争が始まると国策に沿って、戦争気分を盛り上げる勇ましい記事が載る。

戦争を知っている世代の方々からはお叱りを受けるかも知れないが
戦争初期(廬構橋事件をきっかけとした日中戦争の始まりの頃)は
10月の上海戦の勝利や12月の南京陥落が報道されると国中が祝賀ムードに
わいていたという。
この感覚を理解するには2006年のサッカー国際大会ワールドカップで
日本がチームが優勝したときの「ニッポン、チャチャチャ」な雰囲気と似ている
のではないかと著者は書いている。

振り返って現在の、定額給付員を歓迎するメディアの報道はどうだろう。
報道する側の姿勢は60年前も今も変わってはおらず、私達はつくづく
メディアに振り回されないようにしなければと思う。

やがて1938年に「国家総動員法」が制定され、統制経済がはじまり
国民に我慢を強いる「国民精神総動員法」なる運動も盛んになった
「制約調理」だの「節約米」だの盛んに婦人雑誌を賑わすが
もう戦争も終盤の頃になると「代用食」と言っても、本当に食べられるのか?
と思われる凄まじいものが出てくる。
茶がらは野菜として食し、魚粉は貴重なタンパク源という風に。
じゃがいもの皮は芽が出ていても熱には溶けやすいから大丈夫だと。

戦争中の米不足も、実は近代日本は国外の米に頼ってやっと食料を
確保していたという点にあるという。
「豊芦原の瑞穂の国」なんてウソばかりで、節米さえ実行できれば食料は何とか
なると考えた国の指導者の根本的な戦争政策の失敗なのである。

戦時下の主婦は食料を調達するだけでも厖大な時間と重労働を強いられた。
しかも仕事はそれだけではなく、縫い物や繕いにも時間のを掛け
隣組などの目が光り日常生活のあらゆる部分が煩わしいことだらけ食料をめぐる
争いもそこここで起こっていたのだという。

寝不足で、重労働で、飯がないそれが戦争の本質かも知れない
戦争になれば必ずまた同じ起きる。戦争の影響で食料が無くなるのではなく
食料が無くなることが戦争なのだと著者は言っている。

この本は口絵も写真も当時の資料が掲載されていて
リアルに「戦時下の食」について書かれている。

最後に「隣組」の替え歌で面白いのが載っているので紹介しょう。
「とんとんとんかりんと隣組〜」が

「ドンドンドンガラリとドナリ組
 あれこれ面倒 味噌、醤油
 回して頂戴買いだめ品、
 ああ、情けない腹へった    」 (作者不詳)

    
 
0040 >Re: 明日へのビタミン!ちょっといい映画・本・音楽(第六期) パンドラ 04/19 21:41
 
ちよっとこの本は、明日へのビタミン‥というスレッドには
相応しくないかもしれないけれど‥。

貴女はかつて「オバサン」とか「ババア」とか言われたことがありますか?

内館牧子著「エイジハラスメント」
http://item.rakuten.co.jp/book/5805797/
はそんな風に言われ始めた30過ぎのパート主婦の心の揺らぎと
「あるいはもっと言われなく劣しめる」周囲の人達の意識なきエイジハラスメントとの葛藤を描いている。
しかしどうも私はこの著者の固定観念の強さが気になる。
例えば確かに女性は若い頃は「ブス」と言われ歳を重ねれば「オバサン」と
ヒドイ言われようをするけれど
昨今は男性に対しても  「ブサイク、オジン」とか言う言葉がある。
互いに罵り合うよりビジュアル面も含めてどれだけ素敵な男と女でいられるか
という方が大事だと思うのだけれど。

この物語に出てくる女性達って何でお互いにえげつなく好戦的なんだろう。義妹にしても。
「そんな夫は叩きだせ」と言いたい著者の主張は分かるし共感できるが
叩き出すには叩き出すだけの経済力が必要ではないだろうか。
育児、子育て、介護も女性に押しつけ、その上でキャリアを積め、スキルを身に付けろ
と言うのはあまりにフェアでないような気がする。
優秀な女性達 だけでなく普通の女性も
願わくば、仕事も育児も生活全般に伴う事も、どちらかが負担になる程頑張るのではなく、共に助け合う事が出来るパートナーであって欲しいし
男性もそんな働き方が出来る社会であって欲しいと思う。

それにしても一番のエイジハラスメントは数年前の
東京都知事の「ババァ発言」であり、自治体の長がそんな酷い意識を持っていて
それを許してしまう日本の社会全体だと思うのだけれど
内館牧子さんはそれに対してどんな立場をとったのだろうか
ネットで調べてもよくわからないのだが。
    
 
0039 Re: 明日へのビタミン!ちょっといい映画・本・音楽(第六期) 名無しの探偵 03/21 16:29
 
『小林多喜二』ノーマ・フィールド著岩波新書

本屋に行くと多喜二の「蟹工船」が山積みになっていたが、プロレタリア文学嫌いの
私はこの本を読む気にならなかったが、この日米混血の著者の本が気になったので購入した。
小林多喜二のことは戦前の共産党の弾圧事件の象徴的な事件の当事者としてしか知らなかったのであったが、著者による小林多喜二の評伝が非常に優れていたので紹介する。
これまで読んだ評伝の類は人物の客観的な評伝が多いと思うが、この著者は小林多喜二の幼児からの成長の過程と多喜二の作品を丹念に結びつけながら描いておりその具体的な表現とともに小林多喜二の作品がビジュアルに理解できるものになっている。

時代背景が目に見えるようで読んでいて楽しいし、小林多喜二に感情移入することができた。
後年オーケストラの奏者になる多喜二の弟が進学の道を閉ざされて街工場の下働きで
一生を終えてしまうような出来事を作品に書いた多喜二であるが、現に弟は奏者にまでなったのである。
多喜二は自分は現在の小樽商科大学の前身である学校に行かせてもらったのに弟は進学できないという葛藤を作品化している。
こういう多喜二の創作態度を丹念に掘り起こしている。
読書半ばであるが、この後の展開が楽しみである。
なお、著者はシカゴ大学の日本文化研究の教授である。    
 
0038 アメリカを叱る 宮天狗 03/01 16:48
 
 「ノーム・チョムスキー アメリカを叱る」は、ラジオ局でプロジューサーとして優れた番組を作成する傍ら、ジャーナリストとしても活躍しているD・バーサミアン氏の、チョムスキー氏に対する06年初頭から07年春までのインタービューをまとめたものですが、誠に分かりやすく興味深い本です。

 ソヴィエトが崩壊して唯一の超大国となったアメリカの独断専行は、湾岸戦争当時にブッシュ一世大統領が言った「What We Say Goes」(本書の原題)の通り、世界の反戦世論を無視して闊歩し、9,11テロを逆用してブッシュ二世大統領はありもしない大量破壊兵器の存在を主張してイラクに侵攻、「国際法にまったく拘束されない無法国家」として君臨することになってしまいました。

 そうなったのは、不服従精神の欠如したニューヨークタイムスを初めとするメディアが、政府のプロパガンダと化してしまったからだとし、現状を変えるために「鏡に自分の身を照らしてみる」ことをチョムスキー氏は勧めています。日本流に言えば「人の振り見てわが身を直せ」です。

 中南米の独裁政権を応援し、ヴェトナムやイラクに侵攻したアメリカにとって、これが「言うは易く行うは難しい」のは、「アウシュヴィッツ」や「南京」の大虐殺がなかったと主張する人がたくさん居ることからも推察されますが、日本でも人気の高いオバマ氏がこれにどのように対処するか注目したいところ。
 
 そのオバマ大統領について06年氏は「好感の持てる実に熱意あふれる人物でした。政治の大舞台に新しいスターが現れたのです。彼は話しかけられるとその人の目をまっすぐに見つめます。自国の資源は自らの手で管理すべきか。資源は国有化すべきか。国民のために水資源は確保すべきか。健康保険制度を作るべきか。攻撃を停止すべきか。これらのことには一切触れられません。アメリカの政治システムがこんなにも低レベルに成り下がったため、こういった政治課題は隅のほうに押しやられてしまっているのです」。
 
 北朝鮮の核開発を推進したのはアメリカの金融封鎖に他ならないとした氏は、すでに3年前新自由主義の破綻を予測し、文明の衝突を作り出そうと躍起になっているのはオサマ・ビン・ラディンとジョージ・ブッシュ二世だと指摘しています。

 学者にありがちな難解な言い回しや、衒学趣味のない柔らかな語り口と、核戦争の脅威など深刻な問題を取り上げながら、すこぶる明るいのも魅力。訳文はこなれていて超高齢者にもなんら抵抗なく受け入れられます。
   
 
 


    
 
0037 「静かな爆弾」 パンドラ 02/17 18:48
 

「何も知らないわけではなかった。
知っていることを、なんとなく知ったままにしていた。     
 大変なんだろうなとは思っていた。
ただ思うだけで、その大変さを想像しなかった。」
           
「 苦しいんだろうなとは思っていた。            
ただ、思うだけで、その苦しみを想像しなかった。」                  

 吉田修一「静かな爆弾」より抜粋             
 
私はガザの惨状について知ってはいたけれど何も知らなかった。       
 路上に眠る人達の生活を知ってはいたけれど知ろうとはしなかった。    

だから、吉田修一著      「静かな爆弾」
http://sankei.jp.msn.com/culture/books/080405/bks0804050804002-n1.htm

を読んだ後私はこれらについてどの位知っているだろうと思った。
そしてそれを誰かにどうやって伝える事が出来るのだろうと思った。

結局なにもできないのだろう。なにもできないままにただ右往左往と「気にかけている」思いを
免罪符に日々過ごしているのかも知れないと思う。

「静かな爆弾」はテレビ局に勤める30歳代の主人公と
耳が聞こえない女性との出会い、恋愛そして心の軌道と言葉と音のない世界
を描いている。

描かれているそれは、驚くほど音がしない。
音のない世界は穏やかではある。
喧噪から隔離された世界に暮らす女性と
喧噪の中に生きている主人公。

そして主人公が取材する中東のある国の「仏像破壊」の話を
横糸に描いている。

二人の囲む世界の情景と色彩の豊かさ。
吉田修一は都会を描いても以前のように乾いた感じがしなくて
「悪人」以降作風が変わってきたように思う。
それにしてもこんなに静かな小説を読んだのは初めてだ。

隣にいる人の思いと、遠い世界(と思っている)で起きている事に
どれだけ想像力を働かせる事ができるのか。

そしてそれをどう伝えることができるのか
言葉とは、この作品のタイトル通り「静かな爆弾」になりうる時もあるのだから。
    
 
0036 高岩仁監督映画「教えられなかった戦争」シリーズ bochi 02/05 06:31
 
 bochiです。新年会のときにちょっと紹介したかった、高岩仁監督の映画についてですが、

「高岩監督 ありがとう! 映画祭」は1月29日ですでに終わっていました。ごめんなさい。次の機会は6月12日(金)〜14日(日)の東京平和映画祭(@国立オリンピック記念青少年総合センタ−)での可能性(まだ決定ではないようですが)です。

高岩監督とその映画についての概略は次の通りです。
プロフィール:1935年生。57年東映株式会社に入社、69年からはフリーカメラマン。71年劇映画「どぶ川学級」、75年から「公害原論」「水俣一揆」など公害反対の記録映画を撮影。90年から日本によるアジア侵略の実態と戦争の社会構造的原因を追究する「教えられなかった戦争」マレー半島編、フィリピン編、沖縄編、をシリーズ製作。2008年1月死去。享年72歳。(パンフレットより)。

私が観たのは「教えられなかった戦争」沖縄編、と、侵略マレー半島編です。感動し、共感したのは日本の戦争を加害の立場から捉えていること、侵略したアジアの現地に行ってそこに住む人々の生の声を丁寧に拾い「日本軍によって傷つけられた」という証拠の傷跡などで客観的にあの戦争の侵略性の実態と、戦争そのものが持つ残虐性を証明しつつ、戦争の根源を探っていることでした。しかも、沖縄でもマレー半島でも、現在もなお現地の人たちが米軍や日本の企業によって軍事、経済的に苦しめられているというところまでをしっかりと追っています。きちんとした思想に裏付けられた映像の力というものに圧倒されました。

 これらの映画、ビデオについての申し込み、問合せ先は次の通りです。
 映像文化協会:〒横浜市青葉区桜台4−48
        рO45−981−0834
        fax045−981−0918  
 
    
 
0035 ドキュメンタリー映画「いのちの作法」 コナシ&コブシ 02/02 17:50
 
「いのちの作法〜沢内『生命行政』を継ぐものたち〜」というドキュメンタリー映画を昨年暮に見ました。
見ているあいだ、何度も胸が熱くなりました。
お年寄りの尊厳を大切にし、障害を持った人たちに確かな居場所があり、心に傷を負った子供たちを地域ぐるみで受け入れる、「そんな町が今のこの日本にあるんだ」と・・・

生命尊重を町是とする岩手県の山奥の西和賀町(旧沢内村)の今を追った記録映画です。
今から50年も前に豪雪・貧困・多病多死の三重苦に苦しむ村の村長となった深沢まさ
雄さんが「住民のいのちを守る」ためにお年寄りと乳児の医療費を無料にし、その後、高かった乳児死亡率をゼロにしたそうです。それまでは豪雪にはばまれて、病気になった赤ちゃんは医者に見てもらうこともできず「コロコロと」亡くなっていたそうです。

この地方出身の若者が、その村長さんのことを書いた「村長ありき」という本と古本屋で出会い、映画を企画したそうです。
この本を読むと、医療費を無料にする道のりも決して平坦ではなく、村長とまわりの人々の努力があってこそ、とわかります。

映画は自体は村長さんのことが中心ではなく、現在の地域の人々を描いています。
今この時代にぜひ多くの方に見ていただきたい映画です。   

http://inochi-film.main.jp/    
 
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