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1092 「一政党・連立政権に過半数の議席を与えない」国会ルール 猫家五六助 2024/02/19 01:48:32
2021年9月3日、菅義偉が自民党次期総裁選に出馬しないことを表明した。これが事実上の「首相を辞めます」宣言であり、前年9月16日の第99代内閣総理大臣就任から約1年という短命内閣に終わった。第2次安倍政権で民意を無視したイエスマン官房長官となり、記者・国民をバカにした記者会見で等の対応に変化がなく、自分の長男を優遇した我田引水がバレたのだから当然の結果である。

何を今さら古いネタを・・・と言われそうだが、2020〜2021年の東京新聞を今頃整理・スクラップしているのでご容赦いただきたい。首相就任時に菅義偉が「国民のために働く内閣」というキャッチフレーズを言い放ったのも噴飯ものだが、そのスクラップを時系列で眺めていると彼の悪事「学術会議任命拒否」問題が尾を引ていることに愕然とする。「その指摘はまったく当たらない」が常とう句の彼が「任命拒否」理由をいまだ説明せずに政治家を続け、政府与党は「学術会議改革」などと問題のすり替えをしている。「説明しない」「責任はあるけど責任をとらない」自民党政治を岸田文雄が堂々と続けているのだから、世も末である。

東京新聞2020年11月21日付の東京新聞「こちら特報部」では黒川高検検事長の定年延長問題など、何でも閣議決定で乗り切る安倍政権と「お答えは差し控える」を連発する菅政権を痛烈に批判していた。同記事は「お答えは差し控える」発言について立命館大学・桜井啓太准教授(社会福祉学)の分析結果を引用し、
・第2次安倍政権以降に急増したフレーズ。
・「モリカケ問題」「桜を見る会」の国会答弁で安倍首相が最多の165件。
・これは本当のことを言えない時の常とう句。
・本当のことを隠し通し、国民の忘却を待っている。
・その答弁で国会を乗り切ることができ、味をしめた。
・この発言で問題をはぐらかす首相は信頼を失い、リーダーたり得ない。
・この答弁で議論を拒む姿勢は民主主義を揺るがす行為。
以上のように分析し、断罪している。

平和主義・専守防衛を塗り替えようとする政治志向、公私混同かつ責任を取らない政権運用、安易で陳腐な閣議決定、説明責任を果たさない首相、辺野古基地建設の暴走を続ける政府、政党助成金の存在意義を潰す自民党の裏金問題・・・それでも当事者(政治家)を法的に裁けない、正せない。民主主義は踏みにじられ、三権分立が機能しない日本の政治は「死ねよ」ではなく「すでに死んでいる」のだ。
これらの原因が小選挙区制にある、と識者は言う。「安倍一強」長期政権を支えた国民が悪い、と評論家は言う。いやいや、これは政治家が堕落して資質と矜持がなくなった結果でしょ?

そこで、暴論を考えた。衆参議員選挙において単独政党・連立政権で過半数を超えた部分の議員は当選無効とする。つまり、国会で一政党に過半数をとらせないルールの法制化である。

その昔、自民党が過半数を取れなかった国会では政権与党の不祥事・疑惑で首相がコロコロ変わり、閣僚の辞任が相次いだ。それを「上げ足取りや否決が続いて“決められない”国会」「政治的停滞や空白が生じる」「“何でも反対”の野党が国会を混乱させる」と批判する人々がいた。

それでは、自民党が過半数を占めた“決められる”国会や昨今の政治はどうだろう。もはや「やりたい放題」、暗黙の“一党独裁”状態である。だから、民主主義に反する云々は棚上げし、「一政党に過半数の議席を与えない」国会ルールを作りましょう!