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1085 災害対応能力を疎かにする自民党政権 猫家五六助 2024/01/08 01:21:26
今年は年初から能登半島地震と羽田空港衝突事故という思いもよらない大災害・大事故が発生しました。発生7日目にして被災地で避難生活を続けている皆様、お見舞い申し上げます。そして、未だ安否確認できない住民の皆様が多数おられます。政府の組織力と行動力で迅速に救出されることを願っています。

さて、東日本大震災を経験しているにも関わらず、政府の災害救助能力が乏しいと感じるのは私だけでしょうか。今回の大地震は能登半島の突端で、陸の孤島になりやすい場所だと承知の上でそう感じるのです。

政府が災害対策本部を立ち上げ、現地では警察・消防・自衛隊等の方々が余震を警戒しながら不眠不休で活動しているのも理解しています。また、民間レベルでは有志が駆けつけ、支援物資の搬入や炊き出し、医療活動を行っています。ヤマザキパンは企業使命をもって、今回も自社配送網を駆使して焼き立てパンを搬入しました。

たた、数多くの個々の意思・支援内容・動きが被災地へ各々向かうと限られた陸路が渋滞し、支援先や支援内容が重複します。すでに「私費でヘリを手配し、空路で支援物資を運び込んでやったぜ」と自己顕示する著名人も。東日本大震災でも熊本地震でも経験したことですが、これでは本当に支援の必要な避難所がいつまでも置き去りになります。

今回の震源地周辺では数年前から地震が頻発し、以前から活断層があることもわかっています。2011年の東日本大震災では主要な陸路から生活道路まで寸断されました。あれから10年以上も月日が過ぎているので、その教訓を活かして迅速に空路・海路を使って支援物資を搬入し、高齢者・傷病者を避難場所から平穏な場所へ移動させるような災害救援システムが構築されていて然るべきと思うのです。

災害救援システムの手順ですが(私見)、平時に
@事前のシミュレーション
A必要な機材・資材・人員(組織)の準備
B予行演習
を行い、災害が発生した場合は
C情報収集
D現地視察(被災状況の確認)
E救助の方法・手順の具体化
F迅速な行動(効果的、効率的な救助)
G行動の評価(救援はどのくらい達成したか)
を行い、前述したC〜Gを繰り返します。

すでに地震発生から1週間たっていますが、テレビ・新聞・webの報道や情報をみても、この総合的な対応(C〜G)について政府からの発表もマスコミからの報道もありません。被災地から悲惨な避難状況が断片的に伝わって来るだけ。馳県知事は何を指示しているのか、岸田総理は何を支援しているのか。なぜ適時、適切なマスコミへの記者会見を行わないのか。これは、政府が2011年から今まで@〜Gを疎かにしてきた証左。すなわち、政府の怠慢ということです。なぜ怠慢かと言えば、政府は違うことに血道を挙げてきたからです。

安倍政権から岸田政権まで、政府は北朝鮮の弾道ミサイルと中国との尖閣諸島問題で国民を煽り、防衛費に人・もの・カネをつぎ込んできました。先制攻撃論を具現化するために米国からトマホークミサイルを購入し、有事にはオスプレイと空母(護衛艦を改造)で尖閣諸島へ乗り込む企てをしています。前述した災害救援システムの@〜Gは、戦争で敵地を攻撃する手順を参考にしています。すでに防衛省はこれらのシミュレーションや演習を米軍と共同で行っており、C情報収集においては米軍レーダーとのデータリンク運用を進めているでしょう。

中国が尖閣諸島へ奇襲上陸した時に攻撃〜撃退する対応能力と、遠隔地が未曽有の災害に襲われた時に救助〜支援する対応能力は同じことなのです。政府が巨額の防衛費を注ぎ込み、何ができるのか。その結果、何ができたのか。自衛隊は平時に「災害救助隊」にできないのか。今回の地震対応力を見れば、ハッキリとわかります。

もう一つ、被災地の甚大な被害が報道される一方で被災状況の全容が把握できない現状にも関わらず、近隣原発の被災状況が具体的に発表されません。被災状況が把握できていないのに一時は「異常なし」と発表する怪しさ。鳩山由紀夫元首相が不用意な発言をすれば、叩かれる始末。叩くべきは岸田政権であり、マスコミは「近隣原発の現状」をもっと追求しなければ。フクシマのようになってからでは遅いのです!

ちなみに「原発が運転停止中」とは核燃料の間に制御棒を入れ、「一時的に」核分裂反応を抑えている状態です。原子力発電が「消火している」わけではなく、種火がついています。例えて、クルマの運転中にブレーキを踏んでいる状態。ブレーキを踏む足をケガしたら、ブレーキが壊れかけていたら、どうなるか・・・怖ろしい話なのですよ。
◆原子力Q&A ー 原子炉を運転しているときと休止している状態では、どこが違うのか?
(NPO法人 知的人材ネットワーク・あいんしゅたいん)
https://jein.jp/blog-bando/232-blog84.html