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1006 危機感がないのか、知らんぷりなのか 見習い期間 2022/09/18 20:46:50
 少なく見積もっても国民の過半数は反対していることが予想される国葬は、閉会中審査は行われたものの、結局のところ国会での審査は経ずに閣議決定してしまった。国葬の実施にあたっては法的根拠も制度もないうえに、三権の了承が必要であるという過去の見解があるにもかかわらず、強行するようだ。
 これまでにもこのコラムで指摘されていたように、国葬にかける費用をコロナ対策に回していたら、命を落とさずに済んだ人が相当数いたと推察される。国民が感染への不安や感染後の長期にわたる労苦を声に出しても、他者の話を聞くどころか聞き流しているようだ。

 旧統一教会と自民党所属議員の関係性についても、十分に掘り下げられていないままだ。以前にこのコラムで紹介されていたように、自民党の会見草案と統一教会系右翼団体・国際勝共連合による改憲案が酷似しているという事実からも、カルト教団と現在の政権与党との距離は近しいのではないかと思われる。
 教団との関係を断ち切ると首相自らが口では言っているものの、実際に関係を断ち切ってしまうと、それこそ安倍氏が生前に悲願としていた憲法改正が遠のいてしまうことになりかねない。そもそも党内での調査があくまで自己申告制であり、安倍氏を調査対象としていない時点で、カルト集団との決別に本気で取り組んでいないようにも見える。

 国民の声に声を傾けていないことの証左として、9月18日に公表された毎日新聞による最新の世論調査では、内閣支持率が30%を切り、逆に不支持率は10ポイント増加したようだ。数字だけの問題ではなく、意図的に無視しているのか本当にまったく聞こえていないのかは定かではないが、自分たちがこれまでにしてきたことへの疑義も異論も聞き入れてこなかった結果である。
 開催前から予想していたことではあるが、東京五輪をめぐる汚職もここにきて次々と明るみに出てきた。コロナと同様に見て見ぬふりをして現状を隠蔽すると、今以上に国民の反発を招くことになるだろう。
 難題が多く待ち受けているときに、それらと真正面から向き合うことのできない人は代表として表舞台に立つべきではない。そして、私たちはその姿を常にチェックしないといけない。