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0995 参院選の選択基準:「生存権・国の社会的使命」 笹井明子 2022/06/27 21:21:27
第26回参議院議員選挙が6月22日に公示され、現在、7月10日の投開票に向けて、日々熱い論戦が交わされている。

安倍・菅政権の退陣に伴って、「政治とカネ」問題はとりあえず後方に退き、今回の争点は、「コロナ対策」「経済・雇用」「社会保障・福祉」「外交・安全保障」「環境・エネルギー」「憲法改正」等、国民の暮らしに直結し、あるいは国の在り方を問う重要課題が並んでいる。

中でも、「アベノミクス」なる安倍政権時代の経済政策の負の遺産に、コロナ禍、ロシアによるウクライナ侵攻とロシアへの経済制裁が追い打ちをかけ、結果、日本経済は大きなダメージを受け、いま私たちは、食料などの生活必需品や光熱費の高騰と、生活保護費や公的年金の引き下げ、社会保険料の値上げ等、日々の暮らしを直撃する大きな負担に直面し、先行きに暗い展望しか見いだせなくなっている。

そんな状況下で行われる参院選に当たって、野党各党は当然、そろって、状況打開のための「消費減税」あるいは「消費税廃止」を打ち出しているが、一方の政府自民党は、頑なに「消費減税」を拒んでいる。

最近のNHK日曜討論では、自民党幹部が「消費税は全て社会保障に使われている」(高市氏)、「消費税を下げると年金3割カット」(茂木氏)などと発言し、社会保障を人質にした根拠の希薄な恫喝まがいの発言と、批判を受けている。

私自身の生活実感を言うならば、最近は、毎朝スーパーのチラシを取り出して、その日の「特売」をチェックするのが日課になっている。また、旅行やコンサート鑑賞などを控え、時たま行ってきた独立メディアや貧困救済NPOへのささやかな寄付にも、ためらいを感じるようになってしまっている。

「コロナ対策」「安全保障・外交政策」にも通じることだが、政治が常に問われているのは、国民の命と暮らしをいかに守るか、である。

政権を担うと言うことは、憲法25条「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」を、何としても護り、その使命を現実化するために、全力を傾け、真摯に取り組むことであって、「憲法」に「緊急事態条項を追加する」とか、「自衛隊を明記する」などの「憲法論議」は、政府としての使命を達成してからにしてほしい。

参院選のただなか、炎天下のもと、熱心に訴えを続ける候補者の姿を注意深く観察し、国民の命と暮らしを守ることに本気の候補者・政党を見定め、そういう候補者・政党に一票を投じたい、そして、私たちや私たちの後に続く人たちが暮らし易い日本社会を、彼らと共に作っていきたいと、心から願っている。