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0991 ブチャ虐殺事件はどこにいった!(情報戦の一断面) 流水 2022/05/30 11:15:15
4月上旬にロシアの戦争犯罪だとあれほど騒がれていたブチャ虐殺事件。米国メディアを中心に鬼の首でも取ったかのように報道されていた。日本メディアも当然のごとく連日報道していた。
ところが、最近はブチャと言う名前すらほとんど報道もされなくなった。

🔶ブチャ事件の調査報告 (仏国家憲兵隊の法医学チーム+ウクライナの法医学者18名)

一体何が起こっているのか。
実は、4/26日 スペインのNPR21という番組で、ブチャの虐殺事件の詳細な調査結果の報道がなされた。
これによると、フランス国家憲兵隊の法医学専門家とウクライナ(キエフ)の法医学者18人でブチャの死者の解剖を行った。
結果、多くの死体から、金属ダーツ片が発見されたそうだ。
金属ダーツ片とは、クラスター爆弾の小さな破片などを指すのだが、今回ブチャで見つかった金属ダーツは、榴散弾のものだと判明した。

※ブチャの大虐殺を行ったのはウクライナ軍である、突然メディアが沈黙した理由 (livejournal.com)
https://mishajp.livejournal.com/6176936.html

ウクライナの法医学者ウラジスラフ・ピロフスキー氏の報告
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「私たちは、この地域の他の同僚と同じように、男女の遺体から本当に細い釘のようなものをいくつか発見しました」
と語った。

細すぎて探すのが大変なんです。
これらの遺体のほとんどはブチャ・イルピン地方のものである。

フレシェット弾は2014年以降、ウクライナ軍がドンバスの住民に対して広く使用された。
ルガンスク人民共和国の軍が放棄したウクライナ砲兵陣地から見つかった口径122ミリのD-30砲弾の中から発見されたものです。

フレシェット弾は2015年のウクライナ砲撃の後、ドネツク人民共和国のスラヴィアンスクでも発見されており、当時は大きく報道されましたがメディアはいつものように緘口令を敷いています。
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※榴散弾とは、一つのシエル(弾)の中に最大8000本のダーツが入っていて、爆発と同時にそれが拡散し、人体を傷つけるきわめて危険な兵器。

ロシア軍はこの榴散弾を使用していない。まして、ブチャ占領を行った部隊は、空挺部隊。そんな装備はしていない。

同様の報道を5月3日にイタリアメディアも行っており、それ以降、ブチャの虐殺に関する報道がほとんど出なくなった。

🔶情報戦の実態

上記の例でも分かるように、戦時報道の実態は、今も昔も変わらない。
太平洋戦争時の【大本営発表】がどれだけ虚偽の情報を発表し続けたか。メディアも全面的にそれに追随。
戦意高揚の記事を報じ続けた。

現代戦では、情報戦争は、戦いの帰趨を決めかねない重要な戦いである。
今回のウクライナ戦争では、特にこの【情報戦】のありようが大きく変化している。

ウクライナ政府の宣伝担当は、米国の広告会社が担当。ゼレンスキー大統領の演説の大半、ウクライナ政府高官の発言も、そのほとんどを広告会社が書いているはず。

ウクライナ戦争の情報戦の主役は、米国、英国。特に米国は、ロシアの侵攻前から、諜報機関の情報をこれでもか、と言わんばかりに出している。
ロシアの戦力、攻撃目標、兵士の士気、プーチン大統領の性格、病気に至るまで微に入り細に入り事細かに出している。

この悪魔と戦うウクライナ、それを支援するNATOの正当化(正義の戦いだそうだ)を煽りに煽っている。

その目的はただ一つ。ロシア・プーチン大統領を悪魔化し、世界の敵に落とし込むことである。
そうすることにより、ロシアを決定的に弱体化し、ユーラシア大陸のヘゲモニーを握り、中国包囲網を築き、米国の覇権を永久化しようというものである。

その為には、情報の真偽など一切問わない。上記の目的に資するものなら、何でもあり。
ナチスドイツの宣伝相ゲッペルスが「嘘も百回つけば、真実になる」と語っているが、現在の英米ウクライナの情報戦は、これを地で行っている。
上記のブチャ事件のように、都合が悪くなると、一切報道せずにネグレクトする。そのうち、国民は忘れるさ、というのが、現在のメディアのウクライナ報道と読まなければ、簡単に騙される。

さらに悪いことに、世界は、情報化社会。膨大な情報があふれている。
この中に悪意ある情報をさりげなく流し込めば、いくらでもフェイクニュースは流すことができる。
これが日々流されるウクライナ戦争の情報戦の本質である。

これが「ハイブリッド戦争」と言われる戦争だと読まなければ、現在メディアを席巻しているロシア悪魔化報道を読み解くことはできない。

🔶小沢事件との相似性
実は、この手法。民主党政権打倒のために、小沢一郎を悪魔化した手法と相似形である、と読まなければならない。
米国にとって小沢一郎や鳩山由紀夫率いる民主党は、日本独立を意図する極めて危険な政権だった。日本が真の意味で独立することは、米国にとって極東のプレゼンスの揺らぎを招くきわめて重大な変更になる。
この危険を民主的に選挙で除去するために行われたのが、小沢一郎の資金問題。それこそ、赤子の泣かない日はあっても、小沢一郎の悪口が報道されない日はない、と言わんばかりに洪水のような悪魔化報道がなされた。

この結果がどうなったか。
野田政権の後、自民党清和会安倍政権が出来上がった。
安倍政権の10年で日本がどうなったか。
アベノミクスと大愚策の結果貧富の差は拡大し、日本の国力は落ちる一方。今や先進国などという胸を張れる立派な国ではない。21世紀に日本と言う国が生き残れるかどうか、という瀬戸際にまで追い込まれている。

日本人は忘れやすいかもしれないが、小沢事件のような悪魔化報道がなされるときは、その裏できわめて重大な事柄がひっそりと進行していると読まなければ、後で臍を噛んでも始まらないことをよくよく考えておかねばならない。

🔶ハイブリッド戦争(複合戦争)の実態
※定義→@兵器を使い殺人や破壊をする戦争(従来型)+@以外の分野の作戦が複合されて勝敗が決する、いう意味。→かなりあいまいな概念。

そもそも従来型の戦争でも、諜報や傍受もある。相手国内をかく乱したり、ナチスドイツのようなプロパガンダもある。これを複合型と言えばその通りで、ハイブリッド戦争とどこがどう違うのか判然としない。
◎なぜ、ハイブリッド戦争が強調されるのか。
理由は単純明快。
米国と同盟諸国(NATOなど)が徹底的な経済封鎖をロシアに課した。
これに対抗してロシア側は中国・インドの非米諸国を引き込んで世界経済を米国側VS非米側の経済対立の構図に引き込んだことが最大の要因。
(具体的事例)
@ ロシアをドル決済(SWIFT)から追放。ロシアは対抗して原油・天然ガスをルーブルで払えと対立→EUは加盟国がロシアにルーブルで支払っても制裁違反ではないと決定。→ロシア側の勝利(ルーブルが侵攻前より上昇)
開戦時の欧州全体の天然ガス備蓄量は、備蓄可能総量の5%
→欧州は戦う前から負けていた。(完全な戦略負け)
A ウクライナ戦争で決定的になった米国側VS非米側の対立の内実
◎非米側→世界の天然ガス、鉱物、穀物などの資源の多くを保有
●米国側→金融支配→大膨張した金融バブル→米国の金融引き締めでバブルがはじけることが懸念。…→米国側に与している国々は、いわば高齢化した先進国の集まり。→先進国の【老人ホーム】といえる。

プーチンはこの経済戦争で勝てると踏んでウクライナ侵攻を決意した。
B ウクライナ戦争が長引くと起きること
・米国側→金融崩壊が近づく→ドル本位制が崩壊する可能性大
・非米側→資源類の価格上昇を図る→インフレ、食糧難が世界的にひどくなる。=穀物戦争=

つまり、今起きていることは、単なるハイブリッド戦争(複合戦争)ではなく、世界が二分されて勝敗がつく世界大戦だという認識が必要である。