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0975 軸足を1945年に置け、何度でも 猫家五六助 2022/02/28 01:42:25
好戦的でズル賢いロシアのプーチンが、ついにウクライナへ侵略の足を踏み入れた。核保有国かつ国連常任理事国の立場で「オレの邪魔をするなら、核兵器を使う」とまで言い放った。外交と力の均衡を一方的に崩そうとする愚行を抑えるため、国連・米国・NATO加盟国は水面下で懸命に対応策と落としどころを探っていることと思う。これが国際政治であり外交力の見せどころである。

ところが日本政府ときたら、浮足立って慌てふためき、外交オンチ丸出しになっている。
「日本もウクライナと同じことになる」
防衛大臣経験者の小野寺氏がテレビ番組で、ウクライナ情勢に関連して発言したという。だから、日本も“米国に頼らず”さらに防衛力を強化すべきと言いたいのだろうか。日米安保条約をお題目に唱えて沖縄を見殺しにし、思いやり予算をふんだんに差し出しているというのに!こんな二枚舌を国内向けに使うとは、ネトウヨと同じレベルである。案の定、ロシアのウクライナ侵攻を伝えるネットニュースのコメント欄には、
・武力でしか平和は守れない
・憲法改正して自衛隊を正当化し、軍備充実しろ
・専守防衛では後の祭り。敵基地攻撃能力を認めよ
・ロシア(北方領土)、中国(尖閣諸島)と北朝鮮(邦人拉致)には武力で対峙せよ
・日本も核保有国の横暴と脅威に対抗する核武装を
このような勇ましい主張が書き連ねられている。いったい、どこまで日本の軍備を拡張すれば「対等な武力」になれるのか。こうした「チキンレース」の行く末をわかっているのか。核兵器の脅威・恐怖を知っている核保有大国が至った「核軍縮」「核のバランス」を知っているのか。

国際外交はまず、言葉での戦いである。相手国の主張・非難・暴言を受けてカウンターを返すディベートの巧みさが必要だ。ところが日本は相手国の暴挙に気の利いた批判的なコメントができず、「遺憾である(残念です)」を連発するばかり。結局、日本の与党政治家は国際社会でどのように立ち回ればよいかもわからず誰も責任を取りたくないから、相変わらず進歩のない外務省に丸投げしている。左派や護憲派を平和ボケという前に、日本の外交ボケを正さなければ1941年12月8日を繰り返すことになる。

国際紛争が起きた場合、日本がとるべき態度は?紛争をいさめる言葉は?プーチンが核兵器使用で脅す発言をした時、すかさず広島・長崎の被爆者団体が声明を出し、デモを行った。一方、日本政府は駐日ロシア大使に抗議したが反論され、相手にされなかった。
「我々が核兵器・核戦争の恐怖を一番知っている」
「力のぶつけ合いで、結末はどうなるのか」
「先に手を出した方が悪者。手を出さなければ戦争にならない。覇権主義はダメ」
一体、どんな言葉を伝えたのかは不明だが、これはロシア大使館がどうこうできる問題ではない。なぜ、岸田総理自らが会見を開き、ロシア政府に直接抗議しないのだろうか。なぜ、唯一の被爆国、平和憲法、専守防衛という独自のカードを使ったメッセージを国家として発信しないのだろうか。

今、ネット上では「対話外交など無力だと証明された。憲法9条では日本を守れない」とパニックに近い短絡的主張が飛び交っているが、冷静になろう。ウラジミール君とオトモダチ気取りだった安倍晋三が「米国の核兵器を持ち込もう」だって?防衛力増強?先制攻撃論?嘘つき晋ちゃんとオトモダチに騙されてはいけない!

世界はバカじゃない。プーチンの暴挙を米国やNATO加盟国だけでなく、世界中の人々がデモやネットで批判している。クチ下手で外交もできない勇ましいだけの日本が武力に頼れば、太平洋戦争前夜に舞い戻るだけである。日本が平和外交の憲法9条を掲げ、専守防衛に徹すると決めた1945年8月15日を思い出してほしい。