呼出完了
0963 国会審議を見守ろう 笹井明子 2021/12/15 00:23:27
12月13日から衆議院予算委員会が始まった。安倍・菅政権時代、国会では総理を始め、多くの閣僚が、横柄な答弁やヤジを繰り返し、平然と嘘や虚偽を語り、あるいは官僚が用意した原稿をただ読むだけなど、余りにもストレスになる場面が多すぎて、いつしかニュースやネットで流されるさわりしか見なくなっていた。

今回、総理が岸田氏に代わり、また、立憲民主党の代表や党幹部がすっかり入れ替わったので、この機会に、岸田首相がどんな姿勢で国会に臨み、どんな風に国政を語るのか、それと併せて、野党第一党の立憲民主党が、新しい体制の下どんな政党になろうとしているのかをチェックしたいと思い、昨日・今日と、時間の許す限り、NHKの国会中継を生で見てみることにした。

立憲民主党は、昨日は小川淳也、長妻昭、江田憲司、石川香織、今日は逢坂誠二、岡田克也、近藤和也、落合貴之の各議員が、質疑に登場。

まずは、「アベノマスクの失敗と在庫保管料」、「桜を見る会問題」、「アベノミクスの失敗」、など安倍・菅政治の負の遺産に対する問題指摘と共に、「子供関連給付金」、「マイナポイントの無駄」、「生活困窮者支援」、「オミクロン株への対応」など、喫緊の課題の政府対応に対する評価と独自案を提示。

更に、「気候変動とカーボンプライシング」、「株主資本主義からの脱却」、「持続可能な経済への転換」、「拉致問題」、「核兵器禁止条約の参加」など、日本の将来に関わる問題についての提案や合意形成の呼び掛けをするなど、夫々の議員の得意分野を駆使し、多岐に亘る問題について、短時間ながら、網羅的、かつ、明快に、議論を展開した。

一方、岸田首相も、これまでの総理と違って、相手の話をよく聴き、自分の言葉で応えるという、「常識的な」答弁をして、批判や提案は一旦受け止め、「柔軟な対応」をする姿勢も見せている。その結果、国会審議を通して、今、日本の何が問題で、政府は問題をどう捉え、誰のために、何のために、どう解決を図ろうとしているのか、どこに難しさがあるのか、など政治の実像をリアルタイムに見ることができて、とても興味深い、本来あるべき、光景を見ることができた。

こういう真っ当な国会論戦が続けば、国民を煽ったり、一部野党を貶めたり、与党に過剰にすり寄るような低劣な論調は、いずれ国民から見放され、真っ当な議論の場としての国会の再生と、結果としての成熟した政治の誕生に繋がるのではないだろうか。

コロナ禍と政治の不誠実・不手際に振り回された2021年が間もなく終わろうとしている。

来る2022年には、テレビの情報番組やSNSなど、加工された二次情報に振り回されて右往左往するのではなく、国会審議を直接見、国会を通して政治を見守り、必要に応じて私たちの意思を国会に届けるよう働きかけることによって、日本の政治の質的向上の一端を担うことを、私自身は目指したい。そして、それは案外面白そうなので、是非試してみるよう、皆さんにもお勧めしたいと思う。