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0952 「偉い人ほどすぐ逃げる」は言い得て妙である 見習い期間 2021/10/10 19:54:43
表向きには謝罪もなく強がっていても、内々にはこのままだと自らの地位が危ういと考えたのだろうか。
記者会見では更問禁止で、記者からの質問への回答が後日になる場合もあったのが嘘のように、「人の話を聞く」「対話をすすめる」と代表者が第一声に言い放ち、これまで表に出ていた人たちを一斉に引っ込めた。自然災害への対応も今までと比べれば迅速になり、政府として、いつどこで何をするべきなのかを具体的に示すようになった。そして、いつまでたっても行われず国民をやきもきさせていた衆議院選挙を想定よりも早期に実施し、選挙期間中に予定されていた首相の外交も取りやめている。

こうした一連のイメージ転換の試みだけを目にすると、今度は信用してもいいと思ってしまう人も少なからず出てくるのかもしれない。
他者に対して寛容であること自体は尊重されるべきだ。人間は誰もが失敗するのだから、自分以外の人が失敗しても責め立てることなく大目に見るべきであり、可能ならばミスをカバーするように力を合わせて助け合うことが望ましい。
しかし、困難があっても懸命に生きる人々を混乱に陥れ、恐怖に晒し続けているにもかかわらず、謝罪も一切なく逃げ出す人たちに情状酌量の態度で接したいとは思えない。
まずは国民に対して、病気になっても自宅放置されるような事態を二度と起こさないと約束したうえで謝罪し、再発防止のための対策をただちに決定し、そして事態が解決したと言える状態になるまで投げ出さず、目の前で起こっていることへ全力で対処するべきではないのか。そうした姿勢を見せる治世者に対して、寛容さと連帯の姿勢を見せ、赦しを与えることはむしろ当然である。そして何度でも機会は与えられるだろう。

結果も成果も伴わず、賭けに出るだけで失敗したらなかったことにして忘れてもらおうとする様子も、国民はしっかりと目に焼き付けているはずだ。日々の報道が特定の政党のトップ争いばかりを取り上げていても、日本には政党が一つしかないのだと錯覚してしまう人はいないと信じたい。

イメージが刷新されて間もないうちに選挙に持ち込むことで、自分たちに優位に事を進めたいのだろうが、今回ばかりはそう都合よくいかない可能性が高い。むしろ、ここまでするべきことをしてこなかった事実をはっきりと記憶しているうちに、民意を直接示す機会があって好都合だと感じる市民も多いはずだ。未来は変えられる。