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0925 「もうひとつの日米戦後史」を読む、その2 名無しの探偵 2021/04/22 23:35:48
今回のコラムはオリバー・ストーン監督と鳩山由紀夫氏、他2名の対談集「もうひとつの日米戦後史」を読んで、感銘を受けた箇所の感想であり、以前のコラム投稿の続きである。最初に断っておくが、従来の現代史;戦後史の見解とは、180度異なる「問題提起」をオリバー監督と共著者のピーター
・カズニック教授が発言されているので、私の「力量」ではどこまで、本書のポイントを伝えることができるのか、いささか不安である。前回コラムの続編なので、冒頭部分と第2章は前回で、記述しており、省略する。
2,前回では、アメリカの原爆投下は、戦力も喪失して、ポツダム宣言を受諾したものか、どうか躊躇して、「黙殺」している間に原爆を投下された、日本政府であり、アメリカがあえて、原爆投下する「必要性」は全くなかったと、オリバー・ストーンは断言している。原爆投下は、米軍の損失を避けるという目的ではなく、主にソ連の参戦に対抗する意味が強いと主張している。そして、さらに、アメリカは原爆投下の主たる目的として、来るべきソ連との軍事的な衝突を意識していたことを述べている。本書では、対ソ問題で、二つの論点に焦点を当てている。
一つは、第二次世界大戦に「勝利」したのは、従来の現代史の見解では、Dデイ、「ノルマンジー上陸作戦」によって、ドイツをアメリカが「打ち負かした」という見方が通説であったが、映画人のスピルバーグ監督も、そうした「史観」で映画制作しているとオリバー監督は発言するが、これはアメリカのプロパガンダに過ぎないと言うのである。そうではなく、ドイツを打ち負かしたのは、ソ連であり、実際に2700万人もの擬制を払って、第二次世界大戦に「勝利した」のは、ソ連だったと述べるj。
もう一つの「論点」であるが、冷戦構造の問題である。これは、従来の歴史的な通念では、アメリカとソ連が「覇権」を競って、冷戦という「紛争」が起こったというものである。しかし、本書では、それは違う、「冷戦」を起こしたのは、アメリカの方であり、「反共」政策の実現のために、ソ連に挑発を仕掛けたという。ソ連を封じ込める目的で、冷戦を仕掛けたという見解を本書では打ち出している。実際に、キューバ危機という事件では、ソ連の党首、フルシチョフとケネディ大統領の電話対談で、「一触即発」の核戦争の危機を回避したのである。そして、本書では、ケネディ大統領の「暗殺事件」はオズワルドが暗殺者とされているが、映像(現地の人の撮影したもの)から見て、彼は「真犯人」などではなく、オリバー監督はアメリカの「影の政府」の仕業であると発言していて、映画化まで行っている(映画「JFK]である)。
3,ここまでが、前回までの「内容」であったが、今回は、アメリカという国が「どういう国」であるのかを「語っている」箇所に触れたい。
本書で、鳩山由紀夫氏と木村朗教授が対談している箇所があり、二人が「9,11」事件の「真相」を暴露する対談には驚かされた。
(木村氏)「私は、原爆投下によって、冷戦が意図的に開始されたように、「9.11」事件を契機に、そのテロとの戦いが意図的に立ち上げられたと考えています。第二次世界大戦後から開始された冷戦もテロとの戦いという「第二の冷戦」も、実は幻、虚構であって、本来なら必要のない、実体のない闘いであって、それは軍産複合体の存在、利益をカモフラージュするというか、生き残りを図るために必要なプロセスであったと思っています。」
(鳩山)「「9.11」によって、大軍拡計画が成功していくわけですね。
(木村)「新しい真珠湾攻撃が「9.11」なのです。「9.11」を、新しい真珠湾攻撃だと最初に言ったのが、ヘンリー・キッシンジャーで、それからブッシュ・ジュニアもその日の日記にそう書いたと、あとから言っています。
(鳩山)「恐怖を煽って、戦わねばならないと国民の意志を向かわせ、結束を高めたり、政権の支持を高めていくというのは、政治指導者の常套手段でもあります。」
(中略)
(木村)「本来ならば、冷戦終結後に、平和で民主的な国際社会・世界にできるはずだったものを、ウォルフウィッツ・ドクトリン(注記:彼は「ネオコン」の理論家であり、冷戦以後はアメリカ一極時代であり、アメリカに逆らう国は先制攻撃で打倒していくというドクトリンの提唱者)に従って、湾岸危機から湾岸戦争に突入していきます。私が1985年から87年に留学していたユーゴスラビアで起きた内戦も、その延長線上で起こったと思っています。まさしく、軍産複合体の巻き返しです。
4,<小泉政権がイラク戦争に加担した経緯を再検証>
(木村)「冷戦終結後、NATOは解体するどころか、一方的に拡大膨張しつづけている。(中略)ヨーロッパに行くと、ロシアの脅威というプロパガンダが浸透しています。しかし、本当はNATOの拡大自体が、その地域の最大の脅威なのです。
(鳩山)私もそう思います。
(木村)「アメリカのリベラルな人たちの多くは、ブッシュ政権は、アメリカの歴史の中でも、」特に異常な、逸脱した政権であって、最悪だったという評価です。それをオバマがようやく変えて、元のアメリカに戻ったという」評価です。
 ところが、オリバー監督などに言わせれば、彼は就任早々に、ディープ・ステイトに取り込まれたと指摘しています。
 そもそもオバマ政権ができる時に、国務長官にヒラリーがなったこと自体が、オバマの意志が通らない組閣で会ったと思います。
 そして、そのヒラリーが、リビアのカダフィー政権の崩壊とカダフィー殺害を指揮するわけです。
 実は、ISなども、アメリカがヒラリー国務長官を中心にしてつくったものです。オバマ大統領も、結局、それを容認したのです。
5,<日本国民もアメリカに盗聴されているというスノーデンの証言>
「ロシアゲイと」と言われるトランプ大統領への疑惑問題もオバマが、後にトランプ政権の「片腕」になるマイケル・フリンの進言「ISを作るようなことは危ないからやめろ」ということに対して、オバマはヒラリーの肩を持って、フリンの首を切ったという。その後、彼がトランプ大統領の片腕になったので、「ロシアゲイと」事件をでっち上げたと本書では語っている。マイケル・フリンはロシアとの戦争を辞めるべきだとずっと言っていたとのことである。
ここで、本書は、スノーデンの「暴露」、特に、日本との関係で、触れている箇所があるが、映画でも扱われている問題である。
(鳩山)「横田にいたみたいですね」
(木村)マルウェアとは、日本がアメリカに逆らったり、離反しようとしたら、日本に制裁を加えるための仕掛けです。これが作用すると、日本のあらゆるインフラストラクチャーは停電して使えなくなります。そういう、プログラムを密かに仕込んでいるとスノーデンは証言しています。
(木村)スノーデンが証言したもうひとつの重要な点は、アメリカ側が盗聴システムを日本に分け与えるから、日本自身が国民を全部監視しろと要求したのですが、日本政府はそれを断ったので、自分たちアメリカ側で行うことになったという証言です。
(鳩山)「もう、アメリカがやっているということですね。」
ここで、ドイツのメルケル首相の携帯をアメリカが「盗聴していた」問題に触れているが、その後で、日本の盗聴問題に触れている。
(鳩山)「軽く見られていることは間違いないでしょう。しかし、日本人がそこまでなってしまっているのは、情報が操作されているということが一番おおきいのでしょう。(中略)
(木村)ですから、いま日本にとって本当に必要なのは、権力と一体化して情報操作をそている御用メディアではなく、権力を監視・批判できる市民による対抗メディア、ソーシャル・メディアとそてを支える強力なシンクタンクの設立だと思います。
(鳩山)「これはつくらなければいけないのでしょう。」
以上。