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0924 適切・公正な「公助」実現に向けて 笹井明子 2021/04/14 22:15:34
新型コロナの感染拡大が一向に収まる様子をみせない中、政府は曖昧なメッセージと、一貫性に欠けた対応を取り続け、私たちを混乱に陥れている。

コロナ感染を止めたいのか、対策を打っているように見せたいだけなのか、「緊急事態宣言」「蔓延防止等重点措置」も、論理性や適宜性がないままに出される発出や終了宣言に、対応を求められる飲食店や観光業者は右往左往。テレビには、客からの相次ぐキャンセルに失望の表情を隠せないまま、それでも何とか持ち応えようと頑張る当事者たちの姿が映し出されている。

また、私たち庶民も、離れて暮らす家族や友人との会食や、近場の旅行など、ささやかな楽しみを今はあきらめ、マスクを着けての必要最小限の外出、自宅でのバランスを考えた食事、人の少ない場所と時間帯を選んだ散歩などで、自己防衛と体調管理に専念する日々を送っている。

こうした私たちの努力にもかかわらず、政府は感染拡大要因を「国民の気の緩み」と私たちに押し付け、検査の拡充、医療体制の強化など、必要で有効な手立ては自治体任せで、政府自らが積極的に打開策を展開しようとする気配がない。

コロナ収束の頼みの綱のワクチンも入手が遅れに遅れ、医療従事者の接種さえ未だ2割にとどまり、高齢者への接種も見通しが立たない状況で、AERAdot.4/13によれば、4月5日の接種率は対人口比0.76%、世界70か国の国・地域中60位という状態だという。
https://dot.asahi.com/dot/photoarticle/2021041200056.html?page=1

こうした悲惨な状況の中、オリンピックの聖火リレーが始まった。沿道に人が集まって密になれば即中止といいながら、聖火ランナーの先頭に企業の派手な宣伝カーが走り、大勢の宣伝要員が沿道の人々に笑顔を振りまくなどという光景も報道され、何ともチグハグ感が否めない。

最近ニューヨーク・タイムズが『新型コロナの感染拡大が収まらず、ワクチン接種も滞る中で東京オリンピックを開催するのは「最悪のタイミング」であり、日本と世界にとって「一大感染イベント」になる』と報じたが、これこそが客観的事実であり、JOCも、東京都も、政府も、今の日本の状況下で8月にオリンピックを開催できると本気で考えているとしたら、正気を失っているとしか思えない。
https://mainichi.jp/articles/20210413/k00/00m/050/054000c

さて、政府は昨日唐突に、福島原発の放射性物質トリチウムを含む処理水を福島沖へ海洋放出する方針を関係閣僚会議で決定した。

福島では試験操業が終わりようやく本格的な操業に向けて踏み出したばかりのタイミングであり、漁業者らは反発を強めているという。

また政府レベルでは、周辺国である中国や韓国からの強い「抗議」「反対」表明もあり、市民レベルでは、24か国、311団体の呼び掛けによる「汚染水を海に流さないで!」の署名活動が行われ、4月12日に呼び掛け人代表者が88の国と地域から集まった6万件を超える署名を経済産業省に提出し、記者会見を行っている。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210412/k10012970511000.html

思い起こせば、安倍元首相が「フクシマは完全にアンダー・コントロール」と世界に向けて大見えを切って招致したオリンピックが、コロナ感染抑え込みの失敗で風前の灯となり、日本政府の無策が露わになった折も折、今度は「コントロールされていない汚染水」の海洋放出のニュースが世界に流されることになるとは!政府自民党が自ら招いたこととは言え、何とも無様な話である。

こうして、国民が望むことはやらず、やって欲しくないことはなぜか張り切ってやり、挙句、世界からもあきれられているという、昨今の自民党政治の現状に、翻弄され続けている私たち国民の我慢もそろそろ限界に近づいている。

これまで忍耐強く「自助」と「共助」の努力を重ねてきた私たちだが、自分たちが納めた税金を適切、公正に運用する「公助」を手に入れるために、今こそ声をあげ、思いを同じくする人たちと手を携え、立憲野党に「政権」を担う体制作りを促して、自民党政権の退陣=政権交代を実現するために尽力すべきだろう。

その状況認識に立って、私たち「護憲+」も、大きなうねり作りの一端を、微力ながら担いたいと願う昨今である。