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0910 政治に真面目さを取り戻そう 笹井明子 2021/01/05 00:02:51
2021年、新しい年があけました。

新年を迎え、改めて2020年を思い返すと、この困難な時に、自民党が政権を担い、不誠実・不真面目な「政治リーダー」達に国のかじ取りを任せるしかなかった私たち国民の不幸を痛感せずにはいられません。

モリ・カケ、サクラ、黒川検事長の定年延長など、安倍政権は、数々の疑惑を指摘されながら、平然と嘘を繰り返し、国権の最高機関である国会を空洞化させてきました。

年末には「サクラ前夜祭」を巡って東京地検が安倍氏の秘書を起訴し、安倍氏の国会での虚偽答弁が118回に及ぶことも明らかになりました。これを受けて安倍氏は記者会見と衆院議院運営委員会の場で「陳謝」しましたが、自身は起訴に至らなかったのを良いことに、「秘書が独断でやったこと、自分は全く関与していない」と言いつのり、この問題に終止符を打ったつもりになっています。

菅政権になってすぐに明るみに出た、日本学術会議の任命拒否問題では、菅首相は開き直りや矛盾した発言を繰り返し、「日本学術会議」の在り方に論点をずらすなどして、問題をあやふやにし、国民が忘れること=幕引き、という自民党の常套手段で問題を処理したように見えます。

こうして、検察の弱腰や風任せのマスコミ報道の助けもあって、様々な重要案件も、一見すると政権に決定的なダメージを与えることなく終わっているように見えます。

しかし、こうした不誠実な対応の積み重ねが、実は国民の間に政治に対する根深い不信感を生んでいることを、政府も国民自身ももっと真剣に受け止める必要があります。

そして何より、今国民の政治不信に追い打ちをかけているのが、政府のコロナ対応です。

感染拡大が明らかな中での「Go Toキャンペーン」の愚かさは言うまでもなく、国民に向けて会食の自粛要請をしたその日に総理自らが要請の要件に合わない会食に参加したり、そのことを指摘された閣僚たちが訳のわからならい開き直りの発言をしたり。そうかと思うと、多人数の忘年会で酔態を晒す大臣もいて、コロナの収束を目指す本気さが全く感じられません。

こうして、政府の無能ぶりにあきれ、あるいは彼らの言動に倣って、私たちもいつの間にか気が緩んだ行動をとり、その結果がコロナ感染第三波となって、医療崩壊の危機という不幸な形で跳ね返ってきているのかもしれません。

東京都と首都圏の知事らの強い要請を受けて、菅総理は今日、一都三県に緊急事態宣言を再発令する検討に入ることを表明しました。

ようやく事態の深刻さに向き合ったと評価したい一方で、コロナによって仕事や住まいを失った人たちや、今はギリギリ持ちこたえているけれど、もうこれ以上は無理という個人経営のバーや飲食店の悲鳴に似た訴えを、新聞やテレビ、ネット等で日々見聞きし続けているだけに、今回の緊急事態宣言によってこれら飲食店が被るであろう打撃の大きさに、心が痛みます。

ここまで状況を悪化させてきた政府の真剣さの欠如、後手後手の対応、説明不足、それによって引き起こされている不信と不安の渦中にある国民の一人として、この政権にこれ以上日本のかじ取りを任せるわけにはいかない、の思いが強まります。

おかしいことはおかしいと、その都度言い続け、年内に行われる衆議院選挙には、自民党政治と決別することが自分たちを守ることと思い定めて臨みたいと思います。

そして野党には、持てる力と存在感を国民にしっかりアピールし、また野党各党の持ち味を上手く融合して、自民党と対決できる態勢を確立することも、併せて強く望みたいと思います。