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0877 コロナ後の社会と政治:「パフォーマンス」から「実直」へ 笹井明子 2020/06/23 20:45:40
東京を中心に、今なお新型コロナ感染者が連日50人近く発表され、コロナ感染の不安が拭えない中、政府は5月25日に緊急事態宣言を解除し、東京でもいくつかのステップを経て、6月19日に自粛要請が全面解除となりました。

思えば、この3か月間は、コロナ感染の恐怖と行動の不自由さの中で、自分にとって譲れない大切なものとは何かを否応なく自問する日々でした。

それと同時に、医師、看護師、介護士、流通や販売、ごみ収集に携わる人々など、命や暮らしに欠かせないエッセンシャルワーカーの存在に気づき、休業要請等で収入の糧をわれ生活が成り立たなくなった人たちの存在を身近に感じるなど、今まで余り意識していなかった社会の現実や、政治が果たすべき役割について、自分事として考えた人も多かったのではないでしょうか。

そんな中で、投票日7月5日の都知事選がスタートしました。巷では現職知事の小池百合子氏が露出度を含め、断然有利とされ、早くも圧勝が言われています。

しかし、コロナ禍対応に於ける小池氏の言動を思い起こすと、「ロックダウン」から始まり、「東京アラーム」「夜の街」「ウィズコロナ」など、キャッチ―な言葉と、レインボーブリッジや都庁を赤や虹色にするなどのパフォーマンスが目立ち、結局は人心を煽り、都民の自己責任と自粛警察による半強制にお任せ、だったという感想が残ります。

そして、「東京大改革2.0」なる立候補の決意を見ても、『都民の命を守り「稼ぐ」東京の実現』『「人」が輝く東京』他、一見華やかで積極的なイメージのタイトルが並ぶものの、中を見ると従来と変わらない施策が細かく羅列され、コロナ後の東京で働き、暮らす人たちに、どのように安心、安全を提供するかの抜本的ヴィジョンが見えてきません。

https://www.yuriko.or.jp/policy

それに対し、今回3度目の都知事選立候補を表明した宇都宮けんじ氏の場合、『都民一人ひとりのいのちとくらしを大切にする都政へ転換を』。『〜新自由主義からの大転換が都政の課題〜いまこそ世界と連帯して「グリーン・リカバリー※」を!〜』と、コロナ後社会への「転換」を明確に打ち出しており、日々の街宣のスピーチからも、都民のいのちと暮らしを守り抜く決意の本気度、真剣さが伝わってきます。

※グリーンリカバリー:気候危機に対する経済政策を基本にした経済復興

http://utsunomiyakenji.com/
http://utsunomiyakenji.com/policy/introduction

巧みな「自己アピール」と「派手なパフォーマンス」から、現実を直視し、苦しむ人に寄り添う「実直」「誠実」へ。

3か月間コロナ禍の苦しみを体験し、今もなお体験し続けている私たちは、社会的連帯の社会、人に優しい政治を作り上げていくための第一歩を踏み出せるのか。今回の都知事選は、私たち自身の本気度、真剣度が問われる選挙と言えるのではないでしょうか。