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0859 天災ではなく人災である 見習い期間 2020/03/02 09:58:46
九年前に東日本大震災が発生した際に起きた福島第一原発の事故に対して使われた形容を再び思い出してしまった。
現在日本で起こっている騒動は間違いなく防ぐことができたことである。人命よりも経済効果を優先して初動を怠っていたのに、今になって場当たり的かつ的外れな方針とやらを打ち出されても困る。何の準備もなく突如仰々しく要請などされても、無茶ぶりをされたほうからすればむしろ大迷惑だ。
蛇足ではあるが、このコラムにも前回投稿したコラムからの続きとなる内容を掲載する予定でいたが、現在も終息を見せない人災が原因で急遽内容の変更を余儀なくされた。意外なところにまで影響が及ぶものである。

冒頭から話題にしているのは、ほかでもない、日本だけでなく世界を脅かしている新型コロナウイルスのことだ。
今年の年明け以降、それどころか春節が終わるまで、日本政府は流行が認められている地域からの入国を拒否することもなく、いわば来るもの拒まず状態でまともな水際作戦を行わなかった時点で、これは近い将来に恐ろしい事態になるという予感はしていた。
それ以降、国内で感染者が発生しても、人から人への感染が認められても、「流行が認められている状態ではない」の一点張りで感染経路の封鎖を行わず、通常通りに通勤・通学させてウイルスを野放し状態にしていた。一か月以上にわたり、この治療法も確立していない新たな病原体に好き放題にさせておいた結果が現在の状況なのではないか。
過去にパンデミックを引き起こしたウイルスと比較して、感染しても無症状もしくは軽症の人が多いという甘い見積もりをしていたが、一度陰性と診断された人が再び陽性になるケースや感染して命を失われた方々もいらっしゃる。

たとえ「バカ殿」であっても、今までに後手後手の対応をしてきたことに対してさすがに危機感を持ったのだろうか、今になってイベントや会合の中止を求めてきたり、突然の休校要請をしてきた。
ウイルスとの戦いに先手を打っているとアピールしたいのかもしれないが、これまでの状況を冷静に注視している市民からすれば、ある程度までは防げたことに対して何も手を打たず、自ら人災を作り上げたとしか言いようがない。危機管理がまったくできていないのだ。

最初から、一部の人に犠牲になってもらうつもりだったのかもしれない。そうでもなければ、朝ラッシュ時の人と人が普通に触れ合うような混雑した電車内で「混雑緩和へのご協力のお願い」を呼びかけるような滑稽な真似はしないだろう。

それにしても、的外れで場当たり的なお願いしかしないことに対して、もはやため息すら出ない。次にこのコラムを執筆するときには、事態が終息していることを願うほかない。