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0834 【愛国心はならず者の最後の拠り所】を地で行く内閣改造 流水 2019/09/29 11:12:47
第四次安倍内閣の閣僚名簿を見れば、上記の言葉の意味がよく理解できる。

内閣閣僚の所属している(していた)組織など。
☆「神道議連」所属 ⇒84.2%
☆「日本会議」所属 ⇒73.6%
☆「靖国議連」所属 ⇒52.6%

世間的には極右とみなされる組織に所属しているないしは所属していた閣僚の割合がこれだけ高い、と言う事は、この内閣の性格が極右的性格を帯びていると断定されても致し方がない。

極右団体「日本会議」の会員数⇒「約4万人」⇒全国民に対する割合=0.03%
⇒内閣閣僚の割合 73.6% 
☆この一事を見ても、安倍内閣の異常性は一目瞭然。

今回の内閣の危険性はそれだけではない。詳細に検討すると、そのグロテクスな実態に唖然とする。

(1)統一教会系閣僚 ⇒約11人。副大臣や政務官、党役員などを含めると総勢21人。
※統一教会・・・キリスト教の分派。初代教祖文鮮明。世界各国に布教。
https://www.youtube.com/watch?v=IEU8izaeZ-M

統一教会が、日本で最初に問題になったのは、下部組織に「勝共連合」と言う組織ができ、その下で「原理研」の名前で多くの若者が壺などを高い価格で売りさばいた問題。「霊感商法」として問題になり、多くの裁判事件が起きた。

さらに、この当時は学生運動が盛んな時代で、「原理研」は共産党の下部組織「民青」と対立。原理研の問題性がクローズアップされた。

※カルト被害に備えるために 統一協会の「今」〜その知られざる実態 鈴木エイト(『やや日刊カルト新聞』主筆)
http://www.kirishin.com/2018/04/07/12072/

次に問題になったのは、歌手桜田淳子が集団結婚式を挙げた問題。その時、新体操選手山崎浩子が集団結婚を取りやめ、統一教会を脱退した時、「わたしはマインド・コントロールされていた」と告白。【マインド・コントロール】=「洗脳」と言う言葉がはじめて市民権を得た。

(2)その他、カルトとは言えないまでも、問題のある集団などと深いつながりのある議員が多く安倍政権の閣僚になっている。下の記事に詳しい。

※第4次安倍改造内閣の知っておくべき側面。統一教会系閣僚11人、その他の問題集団との関係も枚挙に暇なし
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190922-00202356-hbolz-soci

(3)暴力団との関係性が取りざたされている閣僚

吉本興業の芸人が反社会勢力(おれおれ詐欺グループ)の飲み会に出て、お金をもらっていたという問題。TVが集中的に報道し、宮迫などはいまだ謹慎状況にある。

何度もいうようだが、彼らは芸人。自らの芸を売ってお金を稼ぐ商売。お金を払う側の事情など知った事ではない。メディアは、お金を払う側の事情を知らなかった、と言って袋叩きにした。日本の芸人は、世間様の模範的存在でなければならないと、メディアは断定したのである。

わたしなど、世間様の模範になる芸人の芸など見たくもない。【毒】のない芸など芸ではない。

では、政治家の場合はどうか。通常、政治家は、芸人などよりはるかに世間様の模範にならなければならないと思うのだが、どうもそれは怪しい。今回の閣僚の中にもきな臭い人物が数人いる。
・・・・・・・
田中和徳復興相、武田良太国家公安委員長、竹本直一IT担当相の3人で、永田町では、イニシャルを取って「魔の3T」と呼ばれている。

 田中は財務副大臣在任中の2006年に、自身の政治団体が開催した政治資金パーティーで、指定暴力団・稲川会系の企業が40万円分のパーティー券を購入していたことが判明。武田も山口組系元組員から献金を受領した疑惑が報じられた。

 当選8回、御年78歳でようやく悲願の初入閣を果たした竹本は、山口組系幹部との写真をSNSにアップしていることが問題になった。IT担当なのに自身の公式サイトが閲覧できなくなっていたり、「はんこ議連」の会長を務めていたりと、適格性に疑問符が付く。・・・・・・

・・・安倍改造政権 醜聞大臣を並べ警察官僚が跋扈のおぞましさ(日刊ゲンダイ)
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/262213

まあ、彼らが、通常国会で追及されるのは明らかだが、TVや新聞、大手メディアなどの報道では、ほとんど追及されていない。

吉本の芸人を追及するのは徹底的にやるが、安倍政権の閣僚を追及すると後のしっペ返しが怖いのだろう。及び腰もいいところ。小泉進次郎のニュースだけを取り上げて、ほとんど追及されていない。

一言で言えば、【弱い人間はとことん追及するが、強い人間は見て見ぬふり】。典型的な【弱い者いじめ】精神の権化。もはや報道機関の存在価値そのものが問われている。

(4)スキャンダル大臣
・・・・・
過去に週刊誌にスキャンダルを報じられたのも、1人や2人ではない。西村康稔経済再生相は「ベトナム買春」疑惑、河井克行法相は秘書への暴力とパワハラ、菅原一秀経産相は、元愛人に「25歳以上は女じゃない」と言い放ったとされるモラハラ疑惑……。橋本聖子五輪相は14年のソチ五輪後の打ち上げでフィギュアスケート日本代表の高橋大輔選手に抱き付いて無理やりキスを迫る姿が写真入りで報じられた。

「セクハラ、パワハラ、ヤクザがらみと問題大臣だらけで、スネに傷がない人物を探す方が難しい。中でも国民をバカにしているとしか思えないのが、加計学園問題の当事者である萩生田光一氏を文科相に就けるという悪辣な人事です。野党に力がないから何をやっても大丈夫とタカをくくっているのか、国民に対する挑戦なのか分かりませんが、この人事で疑惑にフタをしようとしている。文科官僚は粛清を恐れて戦々恐々でしょう」(政治評論家・本澤二郎氏)・・・日刊ゲンダイ

荻生田については、リテラが以下のように書いている。

・・・2017年10月におこなわれた総選挙の期間中、萩生田氏が代表を務める政党支部「自由民主党東京都第二十四選挙区支部」は約1847万円もの企業・団体献金を集めていた。一方で同支部は、衆院が解散した9月28日から11月10日のあいだに計6回、「はぎうだ光一選挙対策本部」に総額1600万円を寄付していたという。
政治資金規正法では、癒着や汚職を防ぐために公職の候補者の後援会などへの企業・団体献金は禁止されている。そのため、政党支部を迂回させて、本来は受け取ることのできない企業献金を得ていたのではないかとみられる・・・・
http://www.asyura2.com/19/senkyo265/msg/811.html

これでは、今回の安倍内閣の閣僚たちは、まるで悪の巣窟。腐臭ふんぷんとしている。あまりに酷いので、人気の小泉進次郎を入閣させて、「目くらまし」をしたと言われても仕方がない。

(5)官邸のアイヒマンの出世

今回の改造で最も問題が多く、危険性を孕んでいる人事が、「国家安全保障局(NSS」の局長人事。 前任者 谷内正太郎(外務省)⇒北村滋(警察庁)

※北村滋は、官邸のアイヒマンの異名を取る実力者。第一次安倍内閣では、首相秘書官。第二次安倍内閣では、「内閣情報調査室」のトップ。国内の機密情報を一手に握り、メディア・政界に睨みを利かせていた人物。

●「内閣情報調査室」⇒日本版CIAを目的として設置。一言で言うと日本版スパイ組織。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%85%E9%96%A3%E6%83%85%E5%A0%B1%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E5%AE%A4
「内閣情報調査室」と「公安警察」「公安調査庁」の三組織はライバル関係。お互いにしのぎを削っていた。

※日本3大スパイ組織」内閣情報調査室、公安警察、公安調査庁のライバル争い
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190628-00010001-php_s-pol

つまり、今回の人事で、従来「国家安全保障局」(NSS)を握っていた外務省から、「内閣情報調査室」「公安警察」を握っていた警察庁にその権限が移ったのである。権力争いで外務省が完敗したと言って良い。

さらに問題なのは、この「国家安全保障局」(NSS)に新たな経済部門を設置すると報じられている。これに伴う人事が、経済産業省出身の今井尚哉首相秘書官の人事。首相秘書官と首相補佐官の兼任と報じられている。

今井は「影の総理」と異名を取る人物で、内政・外交ともに首相に大きな影響力を与えてきた。特に、ロシア外交は、ほとんど今井の献策と言われている。今回の「日韓危機」の演出も今井(経産省)の振り付けの可能性が高い。※(注) 何一つ成功していない。 

谷内「国家安全保障局」(NSS)局長が、北方四島返還の後、米軍が基地をつくるのを否定しなかったのも、外交のイニシアチブを経産省の今井に握られた事に対する当てつけとも受け取れる。

そういう外務省・経産省のさや当てなども今回の人事で決着が付いた。外務省の全面敗北。経産省の勝利。しかも、「国家安全保障局」(NSS)に経済部門を設置する事により、経産省の権限も削っている。安保関連部局に権限の集中が行われている。

金子勝氏によれば、【400兆円使って実質賃金低下、マイナス金利で地銀は崩壊、経産省が先端産業を崩壊させ貿易赤字化】とこれまでの官邸官僚(特に安全保障関係と治安関係)に権限集中した結果を酷評している。

消費税10%値上げは、森友問題の文書改竄疑惑などで凋落著しい財務省をあまり追い込むと、安倍政権に都合の悪い事実をリークしかねない。財務省悲願の「消費税増税」を実現させて、彼らのプライドを多少満足させておこうという官邸の狙いがある。

今回の人事の狙いについては、ジャーナリスト山田厚俊氏の解説が的を得ている。
・・・・
「警察官僚が外交・安保に加え経済の司令塔という人事は異例ですが、官邸の権力強化には絶大な効果がある。外務省をはずし、外交も経済政策も官邸主導で進めるという強い意志を感じます。改造内閣は醜聞大臣がズラリで、自民党内には『こんなポンコツ内閣で大丈夫か』という声もありますが、NSSですべてを決める独裁体制では、大臣はお飾りみたいなものです。北村氏と今井氏にすべての情報が上がってくる体制になっている。

よほどの不祥事なら大臣のクビを切ればいいし、スキャンダル化を未然に防ぐことも可能です。官僚はますます官邸の方だけを見て仕事をするようになるし、情報統制も今以上に厳しくなるでしょう」
(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)・・・・・

わたしもそう思う。安倍官邸から見れば、大臣など各省庁の課長程度の認識だと思う。当初から、官邸は、大臣に国家運営の策など何も期待していない。だから、各派閥から推薦してきた「もてあまし」のポンコツ人材を登用し、各派閥に恩を売った。よほど問題がある人間は途中で辞めさせればよい、という判断だろう。

国家運営のグランドデザインは全て官邸が描く。大臣などは、黙ってそれに従えばよい。文句を言いそうな各省庁の官僚どもは、人事とスキャンダルネタで、首根っこを押さえる。それでも抵抗する奴は、スキャンダルをでっち上げても追い落とす。

メディア連中は、飯を食わし、スキャンダルを匂わし、金を食わして、篭絡する。警察官僚が権力を握っている官邸である。やって、できない事はない。

あほな国民どもには、韓国との対立を煽り、「愛国心」を掻き立てて、全ての問題を消し去れば、安倍政権の四選も視野に入ってくる。

安倍政権の内閣改造騒ぎを見ていると、
🔷愛国心とはならず者の最後の拠り所である −サミュエル・ジョンソン−
の言葉が身に染みる。