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0832 パラサイト内閣の誕生 名無しの探偵 2019/09/19 20:54:10
1、前置きとして「消費税増税」問題はすでに「世界8月号」で藤井聡教授が「消費増税愚策論」(特に、「課税に反対だが増税推進派を支持する日本国民」の見出しの箇所に共感した)と伊藤周平教授の「社会保障財源論のまやかし」(応能負担原則に立ち返った税制改革を、というのが副題であり、重要な指摘である)でほぼ完全な批判を論じているので、私の議論は、もっと遠近法的なアプローチになることを断っておく。

2、アメリカの経済紙:ウォールストリート・ジャーナルによれば、その社説で「日本で10月に実施される消費税増税が経済をさらに悪化させる『自傷行為』になる」との見方を示したという。

日本のマスコミでこれだけ辛辣な批判をしている新聞記事は皆無だと思う。

世界は日本の消費税増税の危険性をきちんと把握しており、日本のマスコミ媒体がもはや死に体に近いことがこの社説から見て取れるのである。

3、さて、今回の消費税増税であるが、安倍政権という政治権力が一体誰をターゲットにしているのか。つまり、国家の財政政策の主たる対象は「誰なのか」という問題こそが核心であるということだ。
従来の財政原則であるなら累進課税;応能負担が原則であった。「持てる者」からの税収である。

しかし、消費税という税制は「逆進課税」と言われるように「持たざる者」からの税収;収奪である。

これは平たく言えばパラサイトの税制であり、見るべき資産を持たない低所得層から「財布の中身」はすべて出せという冷酷非道な「寄生地主」化した政権であることを意味しよう。

そして、さらに言えば「たかる相手」を間違えているのであり、富裕層はなんら「たかられていない」。パラサイトの対象は持たざる者が主だった階層なのである。

所得格差の解消が世界的な課題(ピケティの「21世紀の資本論」はこれを第一の課題としていた。)になっている21世紀初頭においてそれに掉さす財政政策を当然のように実現してくる内閣は前代未聞であると言ってよい。

日本の時代感覚(政府の)は憲法問題ばかりか、財政問題までアナクロニズムに陥っている。

貧困層に寄生するパラサイトな内閣がここに誕生したことは日本国内ではなく世界から注目されているのであり、ギリシャの経済危機の二の舞になるのではないかと危惧している。
(以上)