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0818 日々の暮らしと政治の品格 笹井明子 2019/07/10 21:33:03
参院選が近づくにつれ、安倍首相と取り巻きの言動が、品位や知性をかなぐり捨てた、余りにも下衆さが際立ったものになってきていて、「これで国民に支持されると思っているのだろうか」と、正直少々ビックリしている。

自民党本部が、選挙演説の参考にと自民党議員に配布したという『トンデモ野党とメディアの非常識』なる冊子は、立憲民主党の枝野さんを始め野党党首を貶めるような下品な挿絵が、妙に美化されたアベさんらしき人物像と共に描かれているという代物だ。
https://snjpn.net/archives/138647

「ニュース23」でこの冊子について問われた安倍首相は、「読んでいない」と言いつつ、「意見の違う野党が選挙協力していることは問題だ」と冊子の内容にそった野党批判を展開。この「怪文書」が官邸主導で作られたことを示す結果となった。

6月24日の参院本会議では、安倍首相の問責決議案を提出した野党に対し、三原じゅん子議員が大仰な口振りで、「安倍首相に感謝こそすれ、問責決議案とは愚か者の所業、恥を知りなさい!」と発言。その「反対討論」を【拡散希望】として自分のツイッターで紹介すると、「何かの宗教?」「気持ち悪い」「ドン引き」などの批判コメントが殺到、「炎上」した。

しかし、あろうことか、参院選の「比例代表自民党」政見放送では、安倍首相と三原議員が並んで出演、6月24日の「反対討論」に触れつつ、アベ礼賛と野党非難を繰り広げ、ネット上には「みっともない」「醜悪」といった評価が今も溢れている。

更に、最近の安倍首相は街頭演説で、「民主党の枝野さん。あれ民主党じゃなくて今、立憲民主党ですね。どんどん変わるから覚えるのが大変」と笑いにかこつけた野党揶揄の発言を披露。7月6日午後の滋賀県草津市、同日夕の大阪市内、翌7日の、千葉県内と東京都内で行った計6カ所すべての街頭演説で、同様の「言い間違え」を繰り返ししてみせたという。(7/7朝日デジタル)
https://www.asahi.com/articles/ASM775J0MM77UTFK009.html

この行為を枝野代表が「選挙妨害」として批判すると、「そんなに怒るんだったら、ずっと同じ党名で頑張ってもらいたい」と、一国の総理大臣とは思えない小児性丸出しの言い返しをしている。

都合の悪い公文書の改ざん、隠蔽、失敗続きの外交政策や経済政策、国民生活の安定への無策と、安倍政権による7年間の“悪夢のような”政権運営を、野党を貶めることで覆い隠そうとする低レベルの言動は、私の周囲にいる従来の与党支持者にもひどく評判が悪く、「今の自民党は何かおかしい」「気持ちが悪い」と引き気味の感想が聞こえてくる。

その一方で、マスコミが余り報じないので目立たないが、野党と市民の共闘は着実に進み、政策をすり合わせて一致点を見出した上で、一人区全てに統一候補を擁立。野党各党の党首が党派を超えて応援にかけつける姿が見られるようになった。

更に、山本太郎さん率いる「れいわ新選組」が台風の目のように現れ、今切実に政治の助けを必要としている人たちに感動と勇気を届け、日本列島にひそかなブームを引き起こしている。

こうして、夫々に日本という国の在り様や、日本に暮らす人々の生活のことを真剣に考える真摯さと若々しいエネルギーに溢れた少なからぬ立候補者の存在は、梅雨空の日本の上空に確かに存在する明るい青空のようにも見えて、今私は投票したい人が多すぎるというワクワクした「困惑」の中にある。

現在新聞やテレビの当落予想では、「自公が過半数をとる勢い」ということだが、特に若い人たちが、今度の選挙は今と未来の自分の暮らしと、これからの日本の政治の品格を問う分水嶺であると認識して、各党、各候補者の主張に耳を傾け、その姿勢を見極め、投票所に足を運べば、事態は大きく動く可能性があるという気がする。

皆さん、投票に行きましょう!日々の暮らしを守るために。日本の政治の品格を、これ以上貶めないために。