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0774 大地に試されている今、考えていること。 見習い期間 2018/09/09 20:45:13
このコラムに何を書こうか考えている矢先、台風21号が西日本に大きな被害をもたらし、今年の夏は最後まで自然災害が続くものだと思っていたら、続けざまに北海道胆振地方東部で大地震が発生した。災害が多い島国に住んでいることを改めて思い知らされている。

今夏はともかく異常な暑さであったうえ、6月の大阪北部地震に7月の西日本豪雨、そして今月に入ってからの台風と地震と、自然は人間の想定などはるかに上回る力を持ち、いつどこで何が起こるか、まったく予測不能であると言わざるをえない。どれだけ科学が進歩し、あらゆるものを人の手でコントロールできるようになった気がしても、牙をむいた自然界に対して私たち人間はほとんど無力なのではないかと、これら一連の災害を見ていると考えてしまう。

人間が自ら争いごとを求めずとも、日常の中に恐怖や命を落とす危険は潜んでいるのだ。自然がどのタイミングで人間を試そうとするか、現在の状況では完全に予測がつかない。そんな世界に生きているからこそ、同じ人間として過酷な自然環境の中で生き抜いていくために、力を合わせていくことが必要になるだろう。

誰もが当たり前の生活を失う可能性があっても、生存権を保証するのが国の役割である。それを個人に起こった不幸として、自己責任で何とか乗り切って生活再建してもらうというのであれば本末転倒であり、今の時点で日本国憲法を遵守できていないではないか。

二年後には東京オリンピックが開催される予定ではあるが、オリンピックよりも優先的に予算や労力を必要とする場所が日本中いたるところにあることを忘れてはいけない。アスリートにとってオリンピックは特別な舞台である。しかし、東日本大震災および福島第一原発での事故に対する被災者への補償と復興支援も継続しているところで、さらなる災害が発生していることも事実だ。まずは人間の生命を守り、すべての人が生きること自体を尊重されるようになってほしい。