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0723 寛容で自由な「リベラル保守」に期待する 2017/11/05 17:15:06
今回の選挙は、明らかに森友・加計問題から逃げたい、今なら勝てそうという安倍首相の思惑で仕掛けられた選挙だった。そして臨時国会冒頭に解散し、600億円余の選挙費用が国民の税金から使用されたことになる。

結果は自民党の過半数、公明党など憲法を変えようという趨勢は3分の2を超えた。いよいよ私達国民は、日本国憲法つまり日本の目指すところを改めて深く考えなくてはならない。

この選挙では、希望の党にすり寄った民進党から立憲民主党が分離したことが唯一の収穫だった。だいたい民進党は結党時に、自民党から公認がもらえなかった人まで極右からリベラルまでを含んでいたから、もう一つ立ち位置がハッキリしなかった。

今回の枝野幸男氏出馬の辞を聞いて、久しぶりに政治家のごまかしのない本気の話を聴いたと思った。

「多様な意見があるからこそ、できるだけそうした皆さんに、まずはきちっと情報公開をする。判断をするための材料をしっかりと提供する。そして、できるだけ多くの意見に耳を傾ける。

意見が違っていたら、相手を抑えつけるんじゃなくて、説明をして、説得をして、納得してもらえるように努力をする。その基本があった上での最後の多数決じゃないですか。その基本があった上での、どうしても忙しい、時間がないときにトップダウンじゃないですか。

残念ながら今の政治は逆の方向になってしまっている。だから、暮らしの足下に光が届かない政治になってしまっている。私たちは、こうした政治の流れを変えていきたいと思っています。」

民主主義というものは、時間のかかる面倒なものなのだ。自分で考えることから逃げてしまうと、民主主義のワイマール体制から独裁者ヒトラーに政治を託してしまうような愚かな選択をしてしまうことになる。

麻生太郎氏が「ドイツのワイマール憲法もいつの間にかナチス憲法に変わっていた。誰も気が付かなかった。あの手口に学んだらどうか」と国民を軽視する恐るべき発言をしたが、こうした政治家によって、実際に今の日本は、憲法をないがしろにする方向に進み、今回はまさにその憲法を変えようとしている。

はたして安倍政権が、改憲論議の場で「まずはきちっと情報公開をする。判断をするための材料をしっかりと提供する」かどうか、怪しいものだろう。国民自身がマスコミを巻き込んで正確な情報を共有しなくてはならない。

以前の自民党にはリベラル保守、良識派と言われる政治家がいた。石橋湛山、宇都宮徳馬、松村健三、田川誠一、三木武雄、鯨岡兵助といった人たち。宇都宮氏の発行する月刊誌『軍縮』は、平和への道を探り研究された論文が毎月掲げられていた。

日本が、そして世界が平和に暮らせることが、国民のために働く政治家のなすべきことであり、軍事的な脅しをかける米大統領にすり寄ることが、どれほど危険で国益にならないか。

「アメリカと違って、日本は北朝鮮のすぐそば。軍事行動は慎んでもらいたい」と、トランプ氏にはっきり言えない安倍首相は、果たして国民を大事に思っているのだろうか? そして事故はもちろん軍事目的としても危険な原発を再稼働にしていることも、国民の命を危険にさらす行為だ。

原発についても枝野氏は言う。
「ふるさとを守るのが保守じゃないですか。本当の保守なら、どうしたら一日も早く原発をやめられるか。そのために最善を尽くすのが、私は本当の保守だと思っています。」

「リベラル保守」という政治家の復活は嬉しい。民主主義は、多くの意見を聞きあう「寛容さ」と、それを闊達に話し合える「自由」の場が必要だ。「リベラル」な政治家は、独裁的な政治を嫌い、ごまかしのない政治を願う国民が支えなくてはならないと思わされている。

引用は「立憲民主党 枝野幸男代表 演説全文(10月17日福島)」よりhttp://satlaws.web.fc2.com/edano1017.html