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0711 謂れのない圧力の中で ̶ ̶ ある教科書の選定について̶ ̶ 猫家五六助 2017/08/07 00:55:40
 もり・かけ疑惑で首相自身が国民から嫌われ、内閣支持率を30%以下に落とした安倍政権。“仕事人内閣”などと気取り、ちょっと猫をかぶって内閣支持率が40%台に回復したからといって、何もかかもリセットできるわけじゃありませんよ。それに早速、仕事人のはずの沖縄北方担当・江崎さんが単なるパートタイマーだったことがバレちゃったし。

 いくら閣僚を入れ替えたって、独裁の元凶たる3人が残っているのだから。そして、「○○の責任は私にある」「誠意をもって丁寧に説明する」と何度言ったって、責任もとらなければ説明もしない。そんな一国の首相を誰が信用しますか?これが企業だったら株主総会で吊し上げられ、「代表者の不作為」「職権乱用」の株主代表訴訟を起こされ、安倍晋三個人が8億円の賠償請求をされてもおかしくない話です。

 さて、もり・かけ疑惑のもう一つの問題は、どちらにも戦前教育の復活を企てる日本会議がからんでいること。教育勅語を信奉する籠池夫妻が詐欺容疑で逮捕されるとはバカバカしい限りですが、夫妻をけしかけた輩、応援した輩、名誉校長にまで入れ込んだ輩がいたわけです。功労賞を疑われて国税庁長官になった佐川宣寿氏も悪い官僚だけど、彼に圧力をかけ恫喝した輩がいたのではないか、と。

 そんな実例を思わぬところで見つけました。あの名門、灘中学高校の校長・和田孫博さんが灘中学校の歴史教科書選定について日本会議のシンパから攻撃を受けているというのです。
「謂れのない圧力の中で ̶ ̶ ある教科書の選定について̶ ̶ 」
togetter感想まとめ https://togetter.com/li/1136186
和田孫博校長の経緯説明文http://toi.oups.ac.jp/16-2wada.pdf

 和田校長は純粋に教育の観点から、担当教員たちと協議のうえで教科書検定に合格した「学び舎」の歴史教科書を採用しました。その文中に日本会議の思想と相いれない記述(従軍慰安婦問題)があるだけの理由で「エリート校が反日極左思想を生徒に押し付けるのはけしからん!」とばかり、日本会議のプロパガンダを担う輩が扇動して全国から同志を動員し、灘中学・高校の非難・恫喝を続けています。さらに、灘高校を名指しで批判的な論調の記事を産経新聞が掲載したというのだから驚きです。

 以上について、和田校長の説明文には事実の経緯や揺るぎない主張が理路整然と記述されています。そして、「非難・恫喝のメカニズムが解明できたから、あとは無視する」という賢明な判断に至っています。

 ただし、和田校長は歴史家・保坂正康氏の著書『昭和史のかたち』( 岩波新書)の第二章は「昭和史と正方形̶ ̶ 日本型ファシズムの原型̶ ̶ 」を引用する形で、現状の政治・行政・憲法(改正)・メディアの動向を危惧されています。

 皆さまにはぜひ、この灘中学校「事件」(威力業務妨害でしょ?)を広めていただき、和田校長を支援していただければ幸いです。