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0708 「相模原障碍者殺傷事件」の講演を聴いて 名無しの探偵 2017/07/20 19:41:13
先週の7月14日に京都自由大学にて上記のテーマで立命館の大谷いづみ先生の講演がありました。この講演にはレジュメもなく一方的に講義されるという変則的な講演だったので不正確な部分があります。なお、当日は上京していた蔵龍さんも出席されています。
レジュメがないので私の印象に残った箇所だけを以下記述します。
まず、大谷講師は上記の事件から問題になることとして安楽死と尊厳死の問題に焦点を当てられました。日本では安楽死と尊厳死を区別する議論が一般的ですが、欧米では両者に区別はなく、同じもの、つまり安楽死問題として扱われています。この指摘は重要な問題であると思いました。日本で「尊厳死」の議論が開始されたときに確かに専門家は安楽死と尊厳死を区別されていて、安楽死は認められないが尊厳死ならば容認できるという議論だったという記憶があるからです。
次に大谷氏は現在週刊誌(文春か?)を賑わせてている脚本家の橋立すがこさんの手記に問題点をを指摘され、橋立さんはスイスの安楽死を積極的に進める病院に患者として入院して、安楽死を自ら選びたいと主張されている。しかし、これこそが相模原の事件の犯人の植松被告とほとんど変らない(類似性のある)つまり、「障碍者は生きていても仕方がない」という発想を同じくするものであると批判します。歴史的に言えばナチスの思想や優性思想と根は同じだという批判です。
また、大谷講師は自分も障害を持って生まれてきた(1960年代に流行したポリオによる小児麻痺)ので自分の母親も後で聞いたことだが、「娘の命を絶とう」と思ったことがあるという。つまり、障碍者は親などに殺される可能性は高いという指摘でした。
少し、前後しますが、大谷講師は上記のテーマではじめに話したのは70年代のカレン裁判のことでした。この事件は植物人間状態になったカレンさんの延命装置を外すが、その後でもカレンさんは生き続けたという裁判のことでした。安楽死の問題と重なっています。
その後で、大谷講師が指摘されたことが大きな刑法的な問題点です。つかり、安楽死というけれどもこれは法律的には「自殺幇助」に該当します。安楽死は端的に自殺幇助なのであり、これを容認できるのかという大きな問題です、という。
以上私が印象に残った問題点のみ書き込みました。
後に、つまり講演後に感じたのはレジュメもなく、質疑応答も私が講演中に頼んだので大谷講師が応じてくれたという変則的な講演だったにも関わらず、
相模原の殺傷事件から大きな問題点を指摘され、現在の安楽死;尊厳死問題に一石を投ずる講演だったと思います。
(以上)