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0694 サメ警察と、ヒラメ裁判所がやってくる。 猫家五六助 2017/04/17 01:51:56
 数の力任せで納得できる説明やマジメな議論を省く、安倍政権。そして、肩書きだけで勉強しない各省庁の大臣。よくもこれだけ、無責任でいい加減な政治が続けられるものだと毎日呆れるばかりだ。

 そして、極めつけの「共謀罪」。既存の法律でカバーできるのに「テロ防止」を御旗にゴリ押しする政府の思惑が丸見えなのが、沖縄平和運動センター・山城議長を恣意的に長期拘留した事件である。東京新聞の見出しには、
「長期拘留、不当な国策」
「取り調べで『共謀罪』の怖さ実感」

 とある。本文記事からは「政府にたてつくヤツは、どうにでもできるんだぞ!」という安倍政権の意図が明確にわかる。山城さんを逮捕拘留する一方、不明朗な経費で東京から警察官・機動隊員を長期派遣し、座り込む反対派をロープで縛り負傷させたのに「安全に配慮して適法」と言い放つ警察。海上で反対派のゴムボートに乗り込み、高齢女性に馬乗りになって押さえ込みながら「海中への転落防止」と涼しい顔の海上保安庁。

 「警視庁の機動隊が派遣されると(反対派への)排除行動は、相手が女性や高齢者でも見境なく力任せになった。〜リーダーと呼ばれる人間を屈服させ、同時にすべての関係者の連絡先を押さえる。沖縄の大衆運動そのものを取り締まっていく国策捜査だと思う」

 これが釈放された山城議長のコメントである。こんな公権力の弾圧に、インターネット上のネトウヨによる沖縄ヘイトが拍車をかける。国民が言いたいことを公言できなければ、政府は「国民に反対はなく、納得している」と勝手な解釈で独善的な政策を進めることになる。そのための強力な武器が「共謀罪」である。

 その昔、特高警察は軍国政権の犬となり、戦時体制に反対する人間を威圧し、デタラメに逮捕・拷問した。
・週刊女性「共謀罪で言論弾圧再び!? 治安維持法時代の凄惨な『横浜事件』を振り返る」
http://www.jprime.jp/articles/-/9478

 この事件では神奈川県特高警察が言論弾圧で60名を逮捕し、拷問により死に至らしめている。近年の裁判により被告は名誉回復したが、検察・裁判所は非を認めていない。

 そんなのは昔の話、現代では許されない。心配ない・・・それは間違いである。東京新聞4月5日付「こちら特報部」では「志布志事件にみる『共謀罪』の危うさ」として、2003年の鹿児島県議選で一般人が不当逮捕された「志布志事件」を取り上げていた。
・NAVERまとめ「冤罪を語る上で外すことができない『「志布志事件』」
https://matome.naver.jp/odai/2141912335869414601

 証拠のでっち上げ、「踏絵」による自白の強要、任意なのに長時間の身柄拘束、丸裸の身体検査などの異常な取り調べが問題になり被告全員が無罪となったが、県警や裁判所は不当捜査・令状発行について謝罪していない。関係者は意図的に人事異動されたり退職したり。つまり、誰も恣意的運用の責任をとらないのだ。

 このように、政権の意向で警察は恣意的に事件化し、裁判所は政権の意向を忖度して看過する。真っ当な民主主義に基づく政権運営をしないとサメ警察やヒラメ裁判所が暴走するから、安倍政権には「共謀罪」法案を成立させてはならない・・・いや、どの政権でも「共謀罪」の立法などいらない。