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0649 マスメディア支配による独裁政治 猫家五六助 2016/07/11 02:02:57
「勝てば官軍、負ければ賊軍」。こんな気分の日にコラム担当は気が引けます。苦々しい思いは他の会員様の投稿に託すとして、今回の参院選であらためて「メディア操作の怖ろしさ」を痛感しました。

 今回の参院選に際し、テレビでの党首討論会は過去最低だったとか。その一つ、「報道ステーション」においては安部首相自身が醜態を晒しました。参院選前にマスメディアでは政策論争をしない、という態度。もう、驕り・慢心としかいいようがありません。視聴者(国民)に参院選への関心を持たせない作戦、とは言い過ぎでしょうか。

 以前、大ヒットを飛ばした実力派歌手の話。その歌手はヒット曲に恵まれたことでテレビ出演に忙殺されたので「歌と関係ない番組には出ない」と決め、テレビの仕事を選び減らしたそうです。すると、いつの間にかその歌手にはテレビ局から声がかからなくなり、テレビ出演の仕事は激減しました。しかし、いつも通りのリサイタルや地方公演は行っていたので、本人は「息の長い実力派歌手」を自負していました。

 ところが、テレビから疎遠になって数年後、彼が噂は「あの歌手はヒット曲が続かず、引退した」「犯罪を起こしたからテレビに出られない」「病気で歌えず、人前に出られない」「自殺したのではないか」等々。もちろん事実と異なりますが、歌手・芸能人にとっては(テレビ出演がなくなる)=(人気がない、引退)になると痛感したとのこと。

 都知事選然り、参院選然り。著名人にしろ政治家にしろ、一般大衆はマスメディアへの露出度が多い人に投票する傾向が強くあります。一方で政府与党の経済失策や政治家の不祥事・失言がマスメディアに乗ると一気に拡散し、尾ひれもついて大打撃を受ける・・・時の政権にとって、マスメディアは両刃の剣です。

 第1次安倍政権で安倍首相は与野党から失政を攻められ、マスコミに追い回された結果、腹痛で「退場」しました。そこで、第2次安部政権は「メディア支配」と「一方通行の政治」心血を注いだのでしょう。ナチスのヒトラーは当時の映像メディアを巧みに使って国民を操ったといわれています。そのマネを、と発言したのが麻生副総理。前後して安倍政権のNHKトップ人事への介入、総務相の「電波停止」発言、政権幹部による民放各局への「公平な政治報道」申し入れや政権批判を自粛させる耳打ち、安倍政権を支える日本会議一派による全国紙への意見広告、等々。

 安倍首相はおそらく、こう考えています。マスメディアをてなづければ、黙らせれば批判など怖くない。「説明責任はある」「後で丁寧に説明する」とリップサービスで済ませばいい。野党議員からの批判には論点のすり替え、場当たり的な欺瞞で対応して受け流せば済んでしまう。つまり、政権に都合のよい情報を一方的に流し、野党・国民からの批判は聞き流すか圧力をかけるという政治手法です。

 政権寄りの価値観や情報を押し付けて「国民の話を聞かない、説明しない、議論に応じない」政治は、まさに独裁政治ではないでしょうか。安倍首相の大学時代の恩師も彼の「政治的資質のなさ」を批判しています。
(フライデー・デジタル版「総理の恩師、安倍首相の無知と無恥を叱る!」を参照)http://friday.kodansha.ne.jp/archives/80667/