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0634 地震と今後の原発 2016/04/21 11:22:38
熊本を中心とする度々の大地震。現在、群発する地震の地域も広がり、最初は無事だった家屋が壊れるなど、被害が拡大している。20万人が避難所や車内、屋外でも避難生活を送っておられるそうで健康が気遣われる。

地震マップ http://megalodon.jp/2016-0421-0841-34/www.asahicom.jp/articles/images/AS20160420006375_comm.jpg

生活の不便も大きいが、震度5以上の地震が何度も繰り返されるという恐怖と不安はいかばかりかと胸が痛む。せめて乳幼児や小・中学生とその母親だけでも、揺れない大地に避難させられないものかと…。

そして、もう一つの不安は、九州電力の川内原発2基が再稼働していることだろう。群発地震の活断層の地図に、川内原発の位置を記した地図がある(サンデーモーニングより)。https://twitter.com/knamekata/status/721489919336525824/photo/1

4月14日に熊本で起きた震度7の地震は、日奈久(ひなぐ)断層帯が震源地だった。しかし16日に起きた震度6の地震は、布田川(ふたがわ)断層帯、阿蘇、大分県別府の万年山(はねやま)断層帯にまで及んだ。そして北東、南西に延びるのではないかと危惧されている。

北東に延びれば、四国の伊方原発がある。こちらは停止中。そして南西に延びれば、川内原発がある。薩摩川内市では最大震度4を観測したが、原発には影響していないと稼働中だ。また北西には 玄海原発もある。地震がこのまま収まってほしいと願わずにはいられない。

しかし、原発近隣の住民は、地震で揺れるたびに放射能の不安に襲われていることだろう。こうした気持ちは報道されないが、どれだけストレスを受けていることかと案じられる。

原子力規制委員会の田中俊一委員長は記者会見で、この地震と川内原発に関し、「科学的根拠がなければ、国民や政治家が(原発を)止めてほしいと言ってもそうするつもりはない」と述べた。

地震予知が不可能な現在は、内閣府の防災白書にも〈「いつでも・どこでも」発生しうる地震の脅威〉という表現があるように、これが今のところ最も「科学的」ではなかろうか。田中氏の発言は、民主主義を無視したものであると同時に、科学的ですらない。ただただ電力会社の利益のための発言だろう。

今回は震源地とされている北緯32.7度、東経130.8度から、川内原子力発電所までは、直線距離で約112km離れているそうだから、さしあたっての影響はないとみていいのかもしれない。

しかし、それは運が良かっただけ。川内原発も伊方原発も活断層の近く。活発な中央構造線活断層、予測されるユーラシアプレートとフィリピン海プレート移動による大地震など、まさに日本は地震国だ。

もう、日本は原発を止めるべきだ。原発は発電コストが最も安いという説も、福島第一の事故を持ち出すまでもなく、未だ決まらない放射性廃棄物の処理コストを含めれば膨大なものになるのだから、とても安いなどと言っていられない。

幸い、稼働中の原発は少ない。これから、全ての原発を止めて、原発設備の安全な解体技術を研究すれば、そのうち海外からも発注が来て、経済的にも引き合うかもしれない。

なにより、今後も起こるであろう地震から、少なくとも日本国民の放射能へのストレスを除き、福島第一原発周辺のように、広大な国土を放射能で使用不能にして失うこともなくなる。

原発再稼働に関する世論調査では、反対が57〜59%、賛成は28〜37%(差は調査による)。国民の半数以上が原発を支持していない。その代表であるはずの政治家の英断を願う。