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0633 「民進党」はケンカ上手になれ 笹井明子 2016/04/12 00:09:35
安倍自民党による一党独裁打破のために、何としても頑張ってもらうしかないと、ここ1年以上「民主党」サポーター登録をしてきた私に、3月某日「民進党」結成の直前に、民主党・岡田克也代表から「挨拶状(報告)」が送られてきました。

岡田代表は、その中でまず、『厳しい逆風が吹く中』でのサポートに謝意を述べ、その上で、『国会は一強体制の中で、安保法制の強行採決など安倍政権の暴走は加速している。これを放置し、憲法9条改正や格差拡大を許せば、国民生活の安全、安心が崩壊する』『今夏の参議院選挙により参議院で改憲勢力が3分の2を占めれば、安倍総理が憲法9条改正に踏み込むことは確実』と危機感を表明。

『安倍政権の暴走に歯止めを掛け、我が国の立憲主義、平和主義、民主主義を守るために、民意のより大きな受け皿』を作る目的で、維新の党と合流し「民進党」を結成すると、新党結成の決意を語っています。

ここに掲げられた「立憲主義、平和主義、民主主義」を守るという基本姿勢は、いままさに私達が切望していることであり、全く異論はありません。また、安倍政権の暴走に歯止めをかけるために「民意のより大きな受け皿」が必要という認識も妥当なものだと思います。

しかし、その一方で、大きな受け皿作りには『理念・政策の合意が前提』とあえて言及していることで、共産党との共闘や、市民から提案された「さくらの木」という大きな野党共闘の構想を否定する逃げ道を用意しているようにも思われ、執行部の及び腰の印象が残ります。

更に言えば、執行部の及び腰は、挨拶冒頭の「厳しい逆風」という弱気な言葉にも滲み出ています。これでは選挙に勝とうという意気込みや熱意や希望を感じることはできません。

老人党の呼び掛け人のなだいなださんは、老人党結成当初から、「選挙はケンカだ」と明言し、『野党の戦い方を見ていると、歯がゆくて歯軋りしたくなる。勝とうと思うなら、相手の弱点はどこにあるかを考えろ。』『憲法を守るとか、健全な野党だとか、選挙民にはまたかと思われるようなスローガンを並べ立てていないで、真剣に喧嘩をしなさい』(「なだいなだのサロン」より)と語り、民主党執行部のケンカ下手に歯噛みしていました。

それから10数年が経過し、その間に民主党は一度政権交代も果たしたにも関わらず、ケンカ下手の体質は今も変わっていないようです。なだいなださんでなくとも、「全くじれったい」と言いたくなります。

民進党(旧民主党)には、安保関連法の審議の過程でも、最近の「保育園落ちた 日本死ね」のブログが示す社会体制の不備についても、現在のTPPに纏わる議論の不透明性に関しても、本質を的確に感知し国会の場で鋭い指摘をする力のある優秀な議員が少なからずいます。

これに対し自民党は、スキャンダル探しや「(民進党の指摘は)無責任なレッテル貼り」というレッテルを貼る戦術でイメージダウンを図ろうとしています。さらに、共産党を特殊なイデオロギー政党とバッシングすることによって、民進党と共産党が共闘することを牽制しています。こんな見え透いた戦術に右往左往していたら、いつまで経っても「民意の受け皿」になどなれる分けがありません。

折りしも、4月24日の北海道5区の衆議院補欠選挙では、民進党に共産党が歩み寄る形で、池田まきさんという野党統一候補の擁立が実現しました。民進党が迷いや優柔不断から脱皮できるかは、この選挙結果に掛かっているのかもしれません。

その意味からも、当該選挙区の有権者の皆さんには、日本の未来を占う大事な選挙との自覚を持って、大切な一票を投じていただきたいと思います。そして何より民進党には、この選挙の経験をバネに、「ケンカ上手」な強かな政党に成長し、来る参院選に臨んでもらいたいと願っています。