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0592 碧空行雲 百山 2015/06/22 16:15:09
 なんと表すればいいのでしょう。あまりにも〜〜と絶句して、あとの言葉が続かない。

 人類の比類なき知恵が生み出し、生み出し続けるもの数多。その数知れず。
 その中でも、その存在自体あまりにも身近に過ぎてそこにあるを忘れるようなもの・テレビ。
 それが伝えるものは、知らず知らずに脳裏の中に居場所を得て、とっさの行動・判断を左右する潜在意識を構成する。

 ああ、何ということでしょう。昨今は、その利器が、立て続けに目を背けさせるような映像を、映し出す。

 何の因果関係もないような状況下で、人のたった一つしかない、最大限尊重されるべきものを奪い、その帰結として、司法の世界の相場(!、?)どおり、無期刑を言い渡された男の発した言葉<また人を殺せる>。
 まだあどけなさが残る横顔の初年自衛官。初めての実弾射撃訓練の姿。引き金を引くその指先は、何を語り掛けて来るのでしょう。
 一つ引く毎にその心は麻痺し、銃口から飛び出すものが、何を為すものであるかすら感じなく成っていく。
 違法薬物を吸引して、朦朧とした状態でハンドルを握り、歩道に乗り上げて人を殺傷したの罪悪感を微塵も感じない表情を浮かべながら、引き立てられる者。
 国権の最高機関の構成員と自他ともに許し、その眼は一意専心国民の上に注ぐを職責とするはずの者たちが、それから逸脱した行動の挙句に身体不如意に陥ったと、間髪を入れぬ速さで用具を装着し、これ見よがしに衆目にさらす。 
 いささかの矜持あれば、逆にかなぐり捨ててでもの思いで<神聖な場>に臨もうものであろうに。

 そのほか巧言令色のオンパレード。実像は霞んで定かならずを、形容詞の積み重ねが一層の曖昧模糊を加速させる永田町の住人達の有難き御姿。

 
 これらに日常的に接する視聴者達。どのような精神風土が醸成されていくものなのか。  

 碧空行雲。悪しき方向にだけは雪崩を打たないようにと、ただ祈り居る。霊験のほども知らぬ<主権者様>と印したお札を握りしめながら。