| 5月3日にTBSだと思いますが、「9条を抱きしめて」という報道番組がありました。ベトナム帰還兵のアレン・ネルソンさんが「日本国」憲法の第9条 と出会い、9条こそが戦争を終わらせる究極の鍵であり、9条は核兵器にも勝てるという考え方に至る旅;発見の旅、それを長い年月をかけて撮影した映像を編集して報道した番組でした。 ネルソンさんはアメリカのニューヨーク市で育ち、 18歳で海兵隊に入り、ベトナム戦争に従軍、ベトナムで敵を何人も殺しました。アメリカに帰還しましたが、重いPTSDに罹患し、ホームレスにもなりました。ネルソンさんは日本に再び来日(以前に沖縄に来たこともある)して、憲法9条と出会い、9条の思想とその精神が戦争を世界から無くす原理であると思うようになった。それからは同志社中学などを中心に講演活動を続けてきました。 ネルソンさんたちベトナム帰還兵の多くはベトナムの人たちと同じで枯葉剤を沢山浴びています。ネルソンさんはその影響から6年前位に61歳で癌で亡くなりました。日本の寺に遺骨が納められています。 アメリカ人である元軍人のネルソンさんが日本の憲法と9条を自分の事として大事に思う、その9条の思想・精神を戦争を無くす原理であり、国籍や国境を越えて重要な国際的な法原理であると考えることそれ自体が私たちに訴えてくるものがある。 日本国の憲法であるが9条はそれ以上のものである。国家や国境を越えて「普遍の原理」として世界中の人たちにアピールする力を持っている。 ネルソンさんは第9条の持つ、そういう原理と思想を私たちに示してきたのではないだろうか。 「9条を抱きしめて」というタイトルはテレビ放送として優れている。ネルソンさんは他の誰よりも「9条を抱きしめて」講演活動などをしてきた。9条の伝道師として諸国を行脚してきた。そして、枯葉剤の影響による癌で倒れたが彼の「9条への旅」はまだ終わってはいない。 そういうメッセージとしてこの番組を鑑賞できたのである。
| |