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0556 Re: 護憲コラム 名無しの探偵 2014/11/06 19:05:42
アベノミクスと労働法制規制緩和

安倍首相は第一次安倍内閣のときに廃案になった「
ホワイトカラーエグゼンプション」を再び導入しようとしている。
その具体的な内容は「労働時間に関係なく成果に基づき給与を支払うホワイトカラー・エグセンプションの対象について『年収1000万以上』『職務の範囲が明確で、高い職業能力を持つ労働者』と決めた。
成長戦略にも明記されているが、詳細は、15年の通常国会で関連法改正案提出を目指すとしている。ホワイトカラーの成果が、かかった時間によらない場合が多いのは明らかだから、残業時間に関係なく給与を支払うというのは当然のことだ。しかし、具体的に考えてみるとホワイト・エグゼンプション
にはわからないことが多い」(原田泰早大教授)
というのは現行の労働法でも労働時間に関係なく
成果で給与を決めることのできる職種は多いからである。管理職の他に、19の職種について、裁量労働制という名で、そうすることを認めているのだ。
現行法のままで「ホワイトカラー」とされる労働者の労働時間を「除外」できるとすれば安倍内閣はなぜ「ホワイトカラー・エグゼンプション」制度をことさらに制度化しようとしているのだろうか。
おそらく、現行法では「除外」できない労働者をも対象にしたいからであろう。
これは「年収1000万以上」で「高い職業能力を持つ」という範囲が広範に渡る労働者をすべて含むことができるからである。不当な一般化ということである。
こうした労働政策を、つまり限りなき規制緩和政策をアベノミクス成長戦略として打ち出す安倍政権に
野党は(もちろん共産党などは反対している)立ち向かおうとしないのか。
また、日本の研究者の盲点であるが、安倍政権の政策一つ一つを個別に批判するがそれはおかしい。特に小泉政権からの延長として自民党が長期的に労働法の規制緩和政策を打つ出しているのであるからそれをトータルに検証していくべきなのである。
つまり、労働基準法の重要な労働基準を骨抜きにしようとしているのであり、今回は労働時間の基準(
8時間労働)と残業規制の空洞化を狙っているのである。
トータルに考えれば、労働基準法などを空洞化して
憲法で保障された「労働基本権」を空洞化していく
「規制緩和政策」なのである。
野党も労働組合ももっと争点化して安倍政権を退陣させ、自民党を権力の座から引きずり下ろす契機にすべきなのである。
以上。