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0546 Re: 護憲コラム 名無しの探偵 2014/09/06 10:01:35
「貧困の連鎖」

「日本の子供6人に一人が貧困状態」(厚生労働省)という2012年のショッキングな報告があった。あれから2年が経過するが事態は一層悪い方向へと進んでいるだろう。おそらく、安倍内閣の解釈改憲による集団的自衛権行使容認という軍事大国への歩みは社会福祉の予算を減らしての政策運営であろうことは容易に推測可能であるからだ。

さて、このコラムのテーマは貧困問題にあるので
子供の貧困が20パーセントに迫ったという統計結果の分析と今後の展望にある。今回と次回のコラムにて報告する。今回は日本の貧困を総論的に分析し、次回で子供の貧困を具体的に分析し、子供の貧困が「貧困の連鎖」を引き起こすことからわれわれは
どうすべきなのかを具体的に明らかにする。

なだいなださんの20年以上前の著書を読んでいるときに大変感銘を受けたなださんの視点があった。
それは今の現状だけを見るということではなく、少し過去に遡りその時点から今の現状までをプロセスとして見るという態度が非常に重要な視点ではないか、という文章に出会ったときだった。

この視点・態度に立って、日本の貧困問題に焦点を当てるとここ20年位から今までのプロセスを見なくては、事態の本質が見えて来ないような気がする。

「失われた20年」という表現が経済学などによって多様されているが、貧困問題に即して「失われた20年」を考えてみると20年前の時点では貧困問題などどこ吹く風という時代だった。

貧困という言葉が深刻な様相で語られ始めたのは5年くらい前からだったと思う。今でも日本社会は豊かな社会であるという意見も多くある。こうした学者や政治家は貧困を見ないようにしているのであろう。

6人に一人の子供が貧困状態にあるということは大人ならばもっと多いか同レベルであると見ることができる。
実際に、非正規社員の増大で(政府が行った政策により)ワーキングプアーという状況が進み、格差社会が徐々に進行した結果のことであった。

政治経済学的な分析をすれば新自由主義の経済政策
が政府の採用した政治だったからである。これを最初に行ったのは中曽根内閣であったが、決定的な経済政策として打ち出したのは小泉内閣であり、経済学として企画したのは竹中平蔵大臣だったのである。

現在の安倍内閣はこの政策を継承してより一層の格差社会へと一歩を踏み出してきている。
国民の生存権(生活保護の充実)よりも軍事が優先され、貧困問題を解決・克服する政策などは一切取ろうとする気はない。

生活保護法の見直し(より厳しい適用枠を創設したりで)を図っているが、実際にこの国では障害や高齢で働けない者にしか生活保護を認めて来なかった。稼働能力のある20歳から64歳までの者は生活保護を認められていなかったのである。

しかも、もう一つのセーフティネットであるはずの
雇用保険も日本は極端に短い。他の先進国は失業者への給付期間は長期であり、生活保護に頼ることも
ない。

日本ではこうしたセーフティネットが事実上稼働能力のある者には機能していないので失業者は餓死するか、ホームレス生活に入るかの「選択」しか残されていない。

戦争する国へと進化した日本ではセーフティネットが機能していないのであるから、このまま行けば、
「棄民社会」が待ち受けているだけであろう。この
状況を変えるにはどうすればよいのか。次回のコラムで引き続き明らかにしたい。
                  以上。