呼出完了
0537 「引き返せない」地点 名無しの探偵 2014/07/01 19:26:11
ついに閣議決定で集団的自衛権の行使容認が行われた。作家の半藤一利氏は反対の立場から(「戦争への道への)「引き返せない」地点へ一歩踏み出したとして安部政権の本性を暴露している。

私も近代史を研究する人間として半藤氏の分析に共感する。

戦前のターニングポイントも同じ状況にあったと半藤氏は指摘する。軍部が政権を掌握し国民の反対を封じた歴史を指している。最初にマスメディアを封殺した。今回も安部首相が秘密保護法案を制定して
マスコミを制圧したことは過去の軍事政権のやり方と同じであると。「安部首相は過去から学んでいるのではないか」とも。

ただ、軍事政権が反対意見を封じ込めることができたのは道具立てが存在していたからである。

明治憲法は天皇に絶対権力を与えていた。「統帥権」は天皇の専権事項であり、議会が関与できないものとされていた。(統帥権とは軍事問題は天皇が決定することという意味)それを根拠に軍部は議会の関与を排除したのである。

この点では今回の安部政権の場合はどうか。軍事問題は憲法9条の問題であるが、この決定を閣議だけでどうにでもできるという道具立ては現行憲法上では皆無である。

安部首相は「解釈改憲」という法外(憲法の破壊行為)な手続きによって戦前の軍事政権ですら不可能だったことを遂行しようとしているのである。
このやり方はワイマール憲法を授権法という法律で
破壊したナチス党に酷似していよう。
戦前のファシズム政権ですら憲法(大日本帝国憲法)に則って軍事行為を遂行したのである。

安部政権は憲法を空洞化する違法で無謀な「解釈」
(これは解釈という論理的なものではなかった)により憲法秩序を破壊したのである。
彼は以前に立憲主義の説明を聞いてこう答えた。
「それは絶対王政のときの考え方である。」と。
立憲主義もまともに理解できない首相に憲法の規定の意味を理解してくれと言っても無理な注文だったのかもしれない。
安部首相の年頭には現行憲法を守ろうという意思は
一度も芽生えたことはなく戦争する権利が国家には存在するという思いこみしかなかったのであろう。
こうした違法・違憲な閣議決定がなされた以上、今後は違憲立法審査権の発動を待つことしか想定できない。憲法裁判に期待したい。
                  以上。