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0495 集団的自衛権の議論で死語にされたコトバ 猫家五六助 2013/10/07 13:23:10
 TBSテレビ系で放送されていた連続ドラマ「空飛ぶ広報室」。航空自衛隊・広報室の自衛官とテレビ局の女性ディレクターとのラブストーリーですが、ドラマの中では自衛隊に関する専門用語が飛び交っています。

 例えば、女性ディレクターが航空自衛隊を「空軍」と言った時、自衛官は「日本に空軍は存在しません」と。アメリカ空軍はUSAF(USエアフォース)、航空自衛隊はJSDF(ジャパン・セルフディフェンス・フォース)。つまり、軍隊ではなく「自分を守るため」の防衛組織という位置づけです。

 また、広報室長は彼女に「自衛隊は専守防衛」と説明しました。専守防衛とは、自衛隊が敵国を先制攻撃せず、攻めてきた相手を自国領土内で撃退する防衛力となる方針のことです。その防衛力はシビリアンコントロール(文民統制)により運用されている、とも。 ドラマの視聴者に「自衛隊とは、何ぞや」を説明するためのキーワード、「防衛力」「専守防衛」「シビリアンコントロール」。

 今、集団的自衛権の行使を主張する政治家・官僚にこのキーワードを尊重している人はいるでしょうか。軍事力ではなく「防衛力」なのに、国防軍にしたい総理。「専守防衛」の陰に隠れて日米共同で先制攻撃の軍事演習を行う自衛隊制服組。「自衛」のために危険な任務をこなす隊員に、軍人としての敵前逃亡を防ぐための軍法会議を提唱する与党幹事長。ナチス・ドイツを真似ろ、と言い放つ「シビリアンコントロール」する側の副総理。

 現在の日米安保条約は「日本および周辺地域の平和への脅威に共同対処するため」という記述になっており、集団的自衛権は「日本および周辺地域」で米軍が敵国の脅威にさらされた場合に限定されるはず。それを政府与党は「日本は自国の平和だけに軍事力を持っていて、いいのか」「紛争地帯の平和や正義に軍事的貢献をすべきだ」「軍事力の均衡で得られる平和なのに、日本は平和ボケしていないか」という感情的かつ飛躍的論理で、米軍が軍事展開する世界中の紛争地帯へ同行できるかのように誘導していると思います。

 武士道に酔い「神の国」「優秀なニッポン民族」を称える人達は、相手の立場を考えたり話を聞くのが苦手です。その人たちが使う「国家」という言葉は「オレ流」と同じ。他の日本人がどうなるかは興味がなく、ニッポン人のオレに従えばよい、オレが正しいと。

安倍総理=「原発はコントロールできている」「右翼の軍国主義者と呼びたいなら呼んで」
麻生副総理=「ナチスの手口を学ぼう」
石場幹事長=「自衛隊を国防軍に。敵前逃亡を防ぐため、厳罰にできる軍法会議を」
石原慎太郎氏=靖国神社参拝時の立場に「公人か私人か?くだらないことを聞くな!」。尖閣諸島問題で野田総理と電話会談「戦争も辞さず」
橋下大阪市長=「(あの時代は)従軍慰安婦は必要だった」。堺市長選の惨敗では、自分がバカ呼ばわりした朝日新聞に広告掲載を拒否されて逆ギレ
小泉元総理=武力行使を避けられる自衛隊の活動地域について「どこが戦闘地域でどこが非戦闘地域か聞かれても、分かるはずがない」
田母神元航空幕僚長=空自のイラク派遣は違憲判決に「そんなの関係ねえ」
上田前人権人道大使=国連人権委員会で暴言「シャラップ!」

 プライドが高く好戦的な政治家・官僚の発言を並べると、日本が向かっている道が見えてきて冷や汗が出ませんか?傲慢な国家は68年前のように悲惨な末路を迎えるのです。

 他者・他国に威張ったり構えたりケンカ売ったりする前に、「平和」「協調」「交流」「相互理解」を考えるのが政治家や官僚ではないでしょうか。