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0494 民主党憲法第9条改正案(枝野試案)の検討 名無しの探偵 2013/10/03 09:44:40
民主党は安部自民党内閣が憲法改正を待たずに現行憲法のままで9条の解釈として内閣法制局が戦後一貫して否定してきた集団的自衛権の行使の容認を可能であるとする「解釈改憲」を問題視して独自の9条改正案を提言している。提言者は民主党の枝野議員である。

枝野議員は「憲法問題第三の道」と称して、9条の改正試案をまとめているが安倍内閣とは異なり現行の憲法9条それ自体は手を付けず、9条の2を追加して自衛権と集団的自衛権を改めて定める形式を採用している。枝野議員が力説するようにどこまでも「解釈改憲」を押し通して現行憲法上絶対に不可能な「集団的自衛権」までも容認してしまう安倍内閣の行き過ぎに歯止めをかけ、また集団的自衛権それ自体にも歯止めをかける意図が改正試案から看取できるのであり、一定の評価ができると思われるので検討する。

枝野議員は内閣法制局の集団的自衛権を現行憲法上容認できないという解釈を受け入れた上でしかしそれでは膠着状況を打破できないとして憲法9条の改正を提言して9条の2,9条の3を追加提案する。ここでは9条の2のみを検討する。

それによれば、9条の2第1項として「わが国に対して急迫不正の武力攻撃がなされ、これを排除するために他に適当な手段がない場合においては、必要最小限の範囲内で、わが国単独で、あるいは国際法規に基づきわが国の平和と独立並びに国及び国民の安全を守るために行動する他国と共同して、自衛権を行使することができる。」

第2項として「国際法規に基づきわが国の安全を守るために行動している他国の部隊に対して、急迫不正の武力攻撃がなされ、これを排除するために他に適当な手段がなく、かつ、わが国の平和と独立並びに国及び国民の安全に重大かつ明白な影響を及ぼす場合においては、必要最小限の範囲内で、当該他国と共同して、自衛権を行使することができる。」とする。

私は枝野試案の集団的自衛権の追加部分に関して反対の立場(内閣法制局の解釈を改める必要性がない)であるが、なんの歯止めもなくアメリカの産軍複合体の立場に追従する安倍自民党に一定の歯止めをかける民主党:枝野9条改正論は評価できると思われる。

安倍政権を支持し、民主党の返り咲きも考慮しない現在の国民多数の政治状況ではアメリカ政府が再び想定敵国と交戦状態に突入した場合には日本も巻き込まれることになり、戦後60年以上も継続した平和があっけなく終焉することになる。そういう意味ではこうした戦争への巻き込まれを回避できる可能性がある民主党の9条改正論は一定の評価ができよう。