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0490 汚染水漏れに直面して 笹井明子 2013/09/04 10:18:10
福島第一原発に於ける深刻な放射能汚染水漏れが8月19日に発覚してから、2週間。夥しい量の汚染水が日々漏れ続け、海に流出しているという事実に、底知れぬ恐怖を感じ、政府から、国としての本気の取り組みの動きが一向に見えてこないことに、ジリジリとした焦燥感を抱き続けてきた。

しかし、ここにきてようやく、安倍総理は「国がしっかり責任を持つ」ことを表明。汚染水対策に470億円の国費投入、遮水壁建設の前倒し、関係閣僚会議の設置、福島第一原発近くに関係省庁の職員を常駐させるなどの方針を打ち出した。

オリンピック招致に向けて「国際社会に一刻も早く対策を示すことが重要」との思惑が働いたという話も聞こえ、国民の不安や苦痛ではなく、海外の評価を気にしての判断なのかと情けなさを感じるし、そもそも動きが悠長過ぎるとの怒りは残るものの、政府がようやく事態の深刻さに向き合って、責任を持って取り組むと宣言したことを、まずは了としたい。

その上で、今後は、汚染水対策の470億円が別の目的に流用されないか、現場で作業に当たっている方たちの健康対策がおざなりでないか、汚染水流出を防ぐ方法がその場しのぎのものでないか、関係閣僚会議などの会議が世論操作の具となっていないか、などなど、これまでのように国民を欺く非道徳的な動きが起きないかを、私たちも責任を持って監視していく必要があることを、今一度確認しておきたい。

今まで散々見せ付けられ、煮え湯を飲まされてきた事態を、二度と繰り返させないこと、そのために私たち自身が他人任せの姿勢を脱却し、主体的に関わりを持っていくこと、この事態を招いた人たちの責任をウヤムヤにせず、きちんと追及し決着をつけさせること。こうしたことを持続していくことが、私たちの暮らしや、地球の今と未来を守るために残された唯一の道であり、私たちに与えられた責務だと思うからだ。