| 「――いいか、考えるんだ。(略)いまの税金では足りない。今は借金ですませるだろう。だが、あとでどうする。 ――税金を高くするでしょう。
――でなければ……。 ――多額の紙幣を発行するでしょう。
――その結果は。 ――物価があがります。
――あがれば。 ――庶民の生活が苦しくなります。」
まさにアベノミクス批判。そしていまの日本経済は、その通りではないだろうか。
しかしこの文章は、1976年出版の「伝記」に書かれている。そして、この「会話」は著者が、明治の西南戦争の頃に植木枝盛(1857−1892年)とTN君(中江兆民1847−1901年)が話したこととして書いている。
自由民権運動家の植木枝盛は、現在の「日本国憲法」の草案の1つとなった「東洋大日本国国憲按」を書いた人だ。中江兆民については『TN君の伝記』を読んで頂きたい。
前記の「会話」の筆者は、この6月6日に急逝された、なだいなださん。諮らずしてアベノミクスなどと巷で持て囃されている言葉の本質を突いている。
今回の参院選、何を取り戻すのか訳の分からないキャッチフレーズに騙されるのは止めよう。戦前の軍国主義を取り戻しかねない「自民党憲法草案」。いまの「日本国憲法」と、しっかり見比べてみよう。 http://www.geocities.jp/le_grand_concierge2/_geo_contents_/JaakuAmerika2/Jiminkenpo2012.htm
そして、あなたが「お金より命が大事、子や孫の命も大切にしたい、未来の日本を大切に」と思うなら、せめて「原発を推進しない」人に1票を入れたい。
各候補者の原発および原発国民投票に対する回答はここで見ることが出来る。 http://kokumintohyo.com/archives/7021
「誰を選べばいいのか」と迷って棄権はしない。せめて「自分は原発をどう考えるか」その1点に絞って候補者の意見をみれば、信頼に値する政治家かどうかも見えてくるのではないだろうか。
――運動が成功するかしないかは、これから、それぞれにわかれていくものたちが、今のいま、どのような一致点を見つけだせるかにかかっているんだよ。(『TN君の伝記』なだいなだ)
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