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0474 人類の自己破壊−遺伝子組み換え作物と原発 2013/05/23 17:13:29
「世界が食べられなくなる日」というドキュメンタリーを見た(6月8日から上映)。
http://www.uplink.co.jp/sekatabe/

お豆腐や納豆を買うと「遺伝子組み換え大豆ではない」と書かれている。この遺伝子組み換え作物と、原発の問題を扱う。根は一緒だからと。

大豆の生産量はアメリカとブラジルが世界のおよそ70%を占め、輸出量もこの2国で75〜80%を占める。そして、この2国の作る大豆の80〜90%は遺伝子組み換え大豆。

トウモロコシも産地アメリカでは、殆どが遺伝子組み換え。日本でもコーン油や菓子類にコーンシュガーとして消費されることが多い。

遺伝子組み換え作物の種子は、アメリカの巨大企業モンサント社が発売している。そしてそれは枯葉剤とよく似た農薬ラウンドアップとセットで、世界中の農家に売り込まれている。

モンサント社は、遺伝子組み換えのコーンを3か月ラットに食べさせる実験を行って、安全性を証明したとしている。しかし、ラットの3か月は人間では約10年にしかならない。

この作品で紹介されている実験は、200匹のラットを、@遺伝子組み換えコーン、Aラウンドアップと遺伝子組み換えコーン、Bラウンドアップを混ぜた水、対照群としてC遺伝子組み換えでないコーンとラウンドアップの入っていない水を与える4グループに分けた。

それをまた@〜B群の量や濃度を3段階にし(例えばラウンドアップは水道水、河川、農薬散布濃度)、オス・メス20グループに分けて、ラットの平均寿命の2年以上、飼育した結果を伝えている。

4か月で死亡例が出、13か月でメスの10〜30%に乳がんが増加、オスに腎臓疾患が増加。腫瘍が肥大化し始める。15か月では複数の腫瘍が発生し、乳腺に鳩の卵サイズの大きな腫瘍。21か月ではオスの腫瘍の数が3〜4倍になり、メスの80%に乳腺腫瘍が発生している。その無惨な映像にギョッとさせられる。

この遺伝子組み換え作物や農薬を、モンサント社は世界各国に「安全・高収穫」として売り込んでいる。TPPに加盟した日本にも、これらの食糧が、雪崩れ込んでくることだろう。

映画の制作者は、遺伝子組み換え作物が原発と同じ構造だと言う。それは、「破局的な結果を生む、取り返しのつかないテクノロジー」で、「一度汚染されたら元に戻らない」。そして「世界中にすでに存在している」と。

広島から始まった放射能被害は、チェルノブイリや福島第一以外にも、原発はじめ核施設周辺で、目には見えない形で周りを静かに汚染し続けている。

年月が経って、がんなどを発症しても個人では、その原因が遺伝子組み換え作物や放射能にあることを証明するのは困難だろう。私たちは、人類の「自己破壊」の真っただ中にいることを、真摯に自覚しなければならない。

*いま各地で自主上映中の「モンサントの不自然な食べもの」と合わせて観ると良く分かります。
http://www.uplink.co.jp/monsanto/