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0465 がんばろう! 笹井明子 2013/03/18 17:10:55
3月10日の「原発ゼロ☆大行動@日比谷〜霞ヶ関〜官邸前・国会周辺」に参加した時に、ひとつ大きな違和感を持ったことがありました。

日比谷から霞ヶ関を進んだ私たちデモ隊が、国会周辺に差し掛かったときに、主催者と警察隊から「この交差点から先は請願デモとなるので、横断幕、のぼり旗を畳んでください。また楽器など大きな音の使用は中止してください」という要請・指示が出されたのです。

私を含め参加者は腑に落ちない表情でしたが、ここで事を荒立てても仕方ないと、指示に従いました。確かに、後日見た写真には、福島社民党党首らに「請願書」を手渡す光景があり、「請願デモ」として許可をとったことが伺われました。

帰宅後、この要請・指示は何を根拠になされたのかを調べてみると、以下二つのサイトに行き当たりました。

「ニュークストリア」(2012年7月15日)
http://nukestoria.info/archives/719
「薔薇、または陽だまりの猫」ブログ(2012年7月16日)
http://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/239037230eca8c2e434ba90481312bc5

どちらも記事の中で、社民党・山内徳信参議院議員の「国会ならびに駐日米国大使館周辺でのデモ行進などの規制に関する質問主意書」(2008年6月5日提出)と当時の内閣総理大臣・福田康夫(自民・公明政権)による答弁(6月13日受領)を紹介しています。

<質問概略>
組合や市民団体などが、国会門前または議員面会所前などを通過するデモ行進を、東京都公安条例に基づいて申請しても、東京都公安委員会と警視庁は、これを許可しない。現在、労働組合や市民団体などは、出発地点からはデモ行進を行い、国会周辺に近づいた時点で請願行進に切り替え、議員面会所前で国会議員への請願行動を行う条件で許可を得ている。
東京都公安委員会と警視庁が、国会周辺でのデモ行進を禁止するのは、いかなる法律上の根拠に基づくのか。
<答弁概略>
東京都においては、集会、集団行進及び集団示威運動に関する条例第一条の規定により、道路その他公共の場所で集会若しくは集団行進を行おうとするとき、又は場所のいかんを問わず集団示威運動を行おうとするときは、東京都公安委員会の許可を受けなければならない。
国会議事堂周辺での活動については、当該活動が公衆に対して気勢を示すものとなり、その結果、許可を受けていない集団示威運動に当たることのないよう、当該活動の主催者等に対して、旗やのぼりの所持等について、必要な指導を行っている。

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これについて、ニュークストリアでは、『警備当局の恣意的な都条例の解釈と運用で何らの法的な根拠もなく国会議事堂等周辺地域で不許可とされてきた「示威活動」の自由を保障し、この活動に参加する国民の安全を確保する法律の制定を求める必要』を主張。

また、「薔薇、または陽だまりの猫」ブログでは、『近年の首相官邸前の抗議行動では、申入れ書を持参することで「請願」の形態をとり、 「合法性」を確保してきた面があります。これは力関係のうえで必要な時もあります。 (中略)
必要なのは自己規制ではなく、規制をはねのけ、「民衆の力で勝ち取った権利」を拡大することです。』と、規制強化か権利拡大かは、民衆の力・気勢次第だと指摘しています。

先の衆院選で自民党が見かけ上圧勝し、安倍総理の言葉のマジックをそのまま伝えるマスコミの刷り込み効果で、安倍内閣が高い支持率を維持する中で、脱原発の声は政治から遠のき、経産省はいよいよ経産省前テントの撤去に手をつける構えを見せています。

一方、最近見つけた「TAI:二重生活中の福島市民」さんのツイッターには、『政治という人災が満身創痍で立つ東北を、人を痛めつける。「がんばろう東北」と一方的な声を投げつける。一体、どれだけの人災が襲えば気が済むのだろう。政治という人災が背後から忍び寄る。進行形の事態を、時に過去形へと変えようとする。なかったことのようにしようとするな。今も続いているんだ。』(3/15)という痛切なつぶやきが書かれています。
https://twitter.com/taisei36

私たちは、進行形の人災を過去のものとして平然と振舞うことはできない。最近の政治状況を前に、うなだれているわけにはいかないのです。実際2年目の3月11日を迎えるにあたり全国で「大行動」に参加した人達の胸には、今も熱く強い気持ちが生きていました。

「がんばろう東北」と他人事のように言うのではなく、3月7日の志村建世さんのブログにあったように「がんばろう!」(ソウル・フラワー)の歌に合わせて、私たち自身が空に向かってコブシを突き上げることが、今の私たちには最も必要で、最も相応しいのではないかと思う、「あれから2年目」の3月です。
http://pub.ne.jp/shimura/?daily_id=20130307
http://www.youtube.com/watch?v=oRwsa5YA0zs