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0463 F-35で軍需産業は高笑い 猫家五六助 2013/02/28 05:47:29
 日本の航空自衛隊は不可解な選定過程の末、次期主力戦闘機(FX)を「めちゃめちゃ高価な」「先物買い」のロッキード・マーティン社F-35に決定しました。
 その機体価格は一機約150億円。導入検討時には約100億円と見込んでいたのに、メーカーの設計変更やら何やらで正式契約時には一機当たり50億円もボッタクられる機体に!4機の購入契約だから、約200億円も言い値で払うわけです。もちろん、この費用には機体の維持費(整備機材、保守部品等)は含まれていません。
 そして、「先物買い」と前述したのはF-35が未だ試験飛行中で、いつ日本に引き渡せるか未定の機体だからです。従来、FX選定は空自実務者が実機を飛行テストしていましたが、今回は飛行・運用実績のある競合他機を差し置き、「他機よりも優秀な性能がある」というスペック(性能仕様)書類だけを信じてF-35に決定しました。豪華なスポーツカーのカタログに魅せられて購入したら、故障ばかりで走れなかった・・・そんな危険をはらんだ買い物をプロである航空幕僚監部がしたわけです。
 案の定、それは的中しました。米国防総省は「機体にムリがかかるので、計画通りの武器が積めない」と議会報告しました。それは、空自がFX選定で要求した戦闘性能が出せないことを意味します。それでも、防衛省は「問題ない」と。そして、ついに
 「米(国)、F-35飛行全面停止。エンジンの羽根に亀裂」(東京新聞2/22付記事)
 となりました。日本の購入契約条件は「言い値」ですから、一機いくらになるか、いつ届くかわからないF-35を「今の主力戦闘機(F-15)では日本を防衛できない」と煽った人たちは待ち続けるのです。
 それほどまでして、とにかく、何としてもF-35が欲しい。私は、そこが何とも理解できなかったのですが、
 「F-35『例外』容認へ」(東京新聞2/5付記事)
 これを読んで、日本政府の腹が読めました。この記事を要約すると、
・FX導入時にはなかったF-35の共同開発について防衛産業を育成する観点から行い、部品輸出を協議中。
・しかし、これは国際紛争の助長回避を目的とした武器輸出3原則に抵触する。
・それは、(軍事紛争中の国を除くなど)部品輸出の厳格な管理を行えば問題ない。
・したがって、日本企業がその部品製造に参加した場合、武器輸出3原則の例外として認める。
 というのが政府方針とのこと。ふふん、だからFX選定は「はじめにF-35ありき」なのね。
 F-35は米国・日本以外にイギリス、イスラエル、イタリア、オーストラリア、オランダ、トルコ、ノルウェーが導入を予定しています。また、デンマークと韓国も導入検討中です。日本の防衛(軍需)産業が加われるなら、こんなにオイシイ話はありません。それゆえの憲法改正、平和憲法の九条見直しだとしたら・・・バカにするにゃ!
 外交努力をしない、外交能力のない国が最強の戦闘機や核兵器を語るなど、言語道断。
 蛇足ですが、F-35のコードネームは「ライトニングU」。太平洋戦争で山本五十六氏の搭乗機を撃墜したのがP-38ライトニングというのは、偶然でしょうか。