呼出完了
0460 日本人について 鈴木建三 2013/02/07 19:45:11
 こんな話は少し時期が遅すぎる気もするが、今度の選挙の結果で相当のショックを受けた。
 もちろん、地震の後の菅氏にたいする民主党の党内の動き、公約を守らないという非難など、単なる政党内の主権争い(誰が地震を予想して公約を作るだろうか!!)は見るに堪えないものがあり、菅下ろしに同調したジャーナリズム(ネットを含む)や国民の多数に私は彼をおろしたら、次にベターな者が出てくると思っているか不思議な気がした。                  しかし、このような状態での選挙の結果が、これほどひどい自民党独裁を許すようなものになるとは、さすがに怖れてはいたが、必ずしもそうなるとは思っていなかった。
 しかし、この結果に対して世の人々、それも少なくともこの結果に反対する人々には、安部や麻生が出てきたことへの批判が多いのが気になる。 終戦直後、東久邇さんが一億総懺悔といって責任転嫁だといわれ、国民はみんな騙されたのだという主張がわりと流行したことがある。これは女性に参政権もなかった、主権在民でない時期にはある程度納得できるーーー(もちろん女性に参政権があったら事態が違ったろうと思うほど私は女性崇拝者ではない。しかし、妙な女の東大教授が「それでも日本人は戦争を撰んだ」という本をお書きになると、日本人の大人の半数以上は参政権はなかったのですよと申し上げたくなるし、上野千鶴子さんがつい最近まで東大でご活躍でしたよとも申し上げたくなる)
 しかし現在、権力者側の選挙政策がいかに巧みであっても、この選挙結果は選挙人に責任がないのであろうか。ちなみに言う、ドイツと日本の戦争責任の取り方、現在の世界からの評価には、この責任の取り方は関連しないだろうか?
 私が今度の選挙結果にショックを受けたのは、この選挙民の問題である。いつから日本国民は、政治家に騙されるための存在になったのだろうか。小泉純一郎の劇場選挙のときはもう完全にそうだった気もする。あの時もテレビの取材に大威張りで、私ジュンコだからジュンイチロウを支持するとわめいていらした中年のオバサンがいた。 今回の選挙結果にマスコミはまったく批判を止め、日銀総裁は黙って辞職させられている。もちろん経済の問題は国民の死活の問題であろう。しかし日本人にとって本当に大きな問題は、原発と、尖閣諸島に象徴される国際問題である。この地域で最初に挑発したのは日本の海上保安隊である。この無人島が本来日本の領土ではない(中国領でもないが)という自明のことを新聞は一切触れないし、一般人はまるで東京湾にでも外国の船が不当に入り込んで来ているみたいに受け取っている。安部の選挙演説はそれに近い。
 こういった冷静かつ理性的に解決すべき二つの問題に選挙民は何を考えたのであろう。もちろん国政の問題を地方個々の問題に還元した小選挙区制にも問題があろう。しかし根本は、選挙民がいつまでもあなたまかせの騙される愚民であることを止めることが絶対必要である。これを実現するために、一応戦争戦後経験のある私は死ぬわけにはいかない。