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0459 憲法は誰を縛るのか? 2013/01/29 09:14:47
今回の選挙で自民党は大勝した。そして将来の見通しを持たない経済政策で景気を上向かせて、国民の歓心を買い、夏の参院選を勝とうとするだろう。そして勝てば、憲法を変えようと自民党案を持ち出してくることだろう。

ここでしっかり、日本国憲法と自民党案憲法の比較対照をすべきだと思う。

素人の方が作成されたとのことだが、横書きで、左右に書き分けて一目で違いが分かり、非常に良くできている(出所を明らかにしての利用をご希望です)。
http://www.geocities.jp/le_grand_concierge2/_geo_contents_/JaakuAmerika2/Jiminkenpo2012.htm

まず、改憲の発議は国会議員の3分の2が必要なのに半数に減らし、国民投票で国民の半数以上を、有効投票の半数以上とハードルを低くして、改憲しやすくしようと企んでいることに注目。

この憲法をいったん通したら、すぐにも再改憲することすら出来るかもしれない。どこまで改憲されるか、空恐ろしい。

九条の「武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」が、単なる「用いない」に書き換えられている。

二項の「A 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」は消え果て、「2 前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない」となっている。

九条については、かなりの方々がご存知だろうと思うが、もっともっと問題は山積みなのだ。

あの格調高い憲法前文は書き換えられ、天皇は「象徴」ではなく「元首」となっている。

「公共の福祉」つまり国民のためが、すべて「公益及び公の秩序」と取り締まる側に有利なように書き換えられている。

そしてなんと、日本国憲法の「最高法規」!!!の、「基本的人権」は、国民の「永久の権利」であることを記した第十章がゴッソリ削除されている。

もう一度。「最高法規」の国民の「基本的人権」の「権利」の章を、憲法から無くしちゃおうというわけですヨ!!!

そればかりか、第九十九条 「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」に対し、こんな変更が行われた。

「第百二条 全て国民は、この憲法を尊重しなければならない」

ええっ? 憲法は、国民が政治家や官僚が暴走しないように縛るためにあったのだ。それが自民党案では、国民を縛るものに書き換えられようとしている。

そして、「2 国会議員、国務大臣、裁判官その他の公務員は、この憲法を擁護する義務を負う」と、憲法を守るべきメンバーが減って、「尊重し擁護する義務を負ふ」べきだったのに、「尊重」すらしなくなったらしい。

憲法は、誰を縛るためにあるのか。これは、凄まじい変更だ。国民はやすやすと自分たちの権利を手放してしまってはいけない。

「戦後70年近く経ち、日本人の手で新しい憲法を作ったっていいだろう」なんて、うかうかその気になっていると、とんでもない憲法が出来上がってしまう。国民の多くの権利を奪おうとしている自民党案を、しっかり知らなくてはならない。