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0448 小沢無罪判決考 流水 2012/11/13 16:50:02
小沢一郎に高裁でも無罪判決が下りました。日本の裁判所にもまだ良心と理性がかすかに残っていると感じさせた判決です。郷原弁護士は、「一言でいえば指定弁護士の惨敗」と評しています。https://twitter.com/nobuogohara

小沢弁護団の弘中弁護士も語っているように、そもそも、会計学の権威が違法性はないと証言した4億円の虚偽記載の違法性に疑いがあります。つまり、犯罪性がないことを無理をして、起訴に持ち込んだことにそもそも問題があるのです。俗にいえば、【火のないところに火事を起こした】のです。

問題は、なぜこのような冤罪事件が起きたのか、という点です。1934年の帝人事件(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B8%9D%E4%BA%BA%E4%BA%8B%E4%BB%B6
)にも匹敵する司法の大暴走といっても過言ではありません。

小沢事件は、政権崩壊の危機に瀕した自民党麻生太郎内閣総理大臣・森英介法務大臣・漆間巌官房副長官の3悪人の陰謀で始まったと言われています。

これに呼応して、東京地検特捜部の検事たち(当時彼らは2・26事件の若手将校にたとえられ、その暴走振りを危惧した法曹関係者も少なくありません)がかなり強引な捜査を行いました。

加えて大手メディアの司法担当記者が東京地検特捜部のリーク記事を洪水のごとく垂れ流し、【推定有罪】の大合唱を繰り広げたのです。

こうして、小沢=悪人=金権政治家の印象操作がなされたのです。ウォルフレン氏は、この事を世界に類を見ない【一政治家に対する人格破壊】と呼び、警鐘を鳴らしました。

自民党・公明党が小沢一郎を攻撃するのは当然ですが、民主党内部の裏切り者たちも、この【小沢攻撃】に便乗し、鳩山内閣を倒し、菅直人を担ぎ、権力奪取に成功しました。この結果、民主党はマニフェストのほとんどを破棄し、マニフェストにない【消費税増税】を参議院選挙で打ち出し、惨敗します。このまま推移すれば、菅内閣は、崩壊寸前だったのですが、3・11の大震災が起こり、辛うじて延命します。

ところが、小沢を座敷牢に閉じ込めた民主党には、このような国家存亡の危機に対処する能力はありません。菅直人の原発対応を見れば、その事は一目瞭然です。結果、全てを官僚に丸投げ、政治主導とは程遠い【官僚主導】の国政運営にならざるを得ませんでした。

おまけに、参議院選挙大敗の結果、【ねじれ国会】になり、何も決まらない政権運営を余儀なくされました。結局、菅内閣は総辞職、野田内閣が成立しました。しかし、野田内閣は、財務省振付の【消費税増税】に狂奔。結果、小沢一郎グループは離党。民主党は分裂したのです。

この政権の弱体化は、尖閣問題、竹島問題など領土問題を引き起こし、日本の右派グループの台頭をもたらしました。おまけに、【消費税増税法案】成立のために民主・自民・公明の3党合意をしたため、【翼賛体制】が事実上成立してしまいました。

今騒がれている解散騒動は、この【体制翼賛体制】内部の権力争い、主導権争いにすぎません。維新や石原新党などの第三極も、この翼賛体制の補完勢力の争いに過ぎないのです。

次の選挙の本質は、【翼賛体制=既得権益層=政・官・業・メディア・外国資本】対【国民】にあります。政策的に言うと、【原発推進・消費税大増税・TPP推進勢力】対【反原発・反消費税・反TPP勢力】の争いなのです。つまらない第三極報道は、この本質を国民の目から逸らす事にあります。

さらに、これには、大国アメリカの思惑が色濃くからんでいます。今度の大統領選挙、日本の話題は出ませんでした。もはや、米国にとって、日本は、関心の外になっているのです。

やくざや不良グループの中ほどいじめの激しいものはありません。【パシリ】とされた人間は、徹底的にこき使われ、むしり取られます。【パシリ】の存在から脱しようとすれば、徹底的にいじめられます。その為、【パシリ】から脱しようという気力も薄れ、逆に【パシリ】の存在そのものに居心地の良さすら感じ始めます。

日本は、もはやアメリカの完全な【パシリ】なのです。【翼賛体制=既得権益層】の心理状態は、アメリカの意向に従う事が、全てに優先しているのです。

小沢事件は、そういう意味で、日本の既得権益層の存在意義を根底から覆す可能性のある小沢一郎という政治家を抹殺しようという企みの表れだったのです。

今回の小沢無罪判決は、これらの企みを否定するものです。その意味で非常に意味があるのですが、これに言及した大手メディアはありません。辛うじて、中日新聞の社説と東京新聞の社説、日刊現代があるくらいです。これが日本の現状なのです。私流に言うならば、【大政翼賛体制=日本総パシリ体制】の完成まじかなのです。

上で書いたように、全ては小沢冤罪事件から始まっています。自民党が【小沢を排除すれば政権奪還】できると考えたのは正解だったのです。敵の価値を一番知っているのは、それと対峙している人間です。自民党や既得権益層の小沢評価が、彼の価値を物語っているのです。

そういう人間を使わない手はありません。何度も言うようですが、小沢一郎個人の好き嫌いではなく、【大政翼賛体制=日本総パシリ体制】阻止のため小沢一郎率いる【国民生活が第一】との連携が急務だと思います。