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0445 民主党政権の後に 2012/10/23 12:18:31
 自民党政権の継続から、ようやく民主党に変わった時、「コンクリートから人間へ」の政策転換を期待した人は多かったと思う。

 民主党では、ほぼ自民党とは変わらないだろうとは思いつつ、少なくともそれまでの自民・公明政権と、政策的に何らかの変化がなければ、政権交代の意味をなさないし、国民の支持も得られないからだ。

 自民党時代の「負の遺産」が凄まじいものだったことは分かる。沖縄の人々を踏みつけにした上に「思いやり予算」までつけてのアメリカ追随、省庁や企業との慣れ合いで垂れ流した予算、それによる財政困難解消のためだけの国債発行、新自由主義経済による不安定雇用や失業率の上昇、格差…。

どれも簡単には解決できない問題を、抱え込まされたのだ。民主党は、これらの負の遺産を国民の前にすべて晒し、その上で政策を立てなくてはならないことを明らかにするべきだったのだ。

 しかし、政権交代だけを目標にしていた寄せ集めの議員たちは、党として「国民の生活が第一」を貫徹しようという意志を欠いていたのではないか。

また、政府を支えるべき官僚たちも足を引っ張りこそすれ支えようとはしなかったことを、事業仕分けの会場に足を運べば目で見ることが出来た。鳩山首相時代の普天間基地問題でも、外務官僚は沖縄の人たちの苦しみをアメリカに伝えず、対米交渉にすら動かなかった。

 そうして3・11の大震災と津波。原発事故。

 根底から日本の将来を考え直すべきだったのに、政府も東電も事故の隠蔽に走り、マスコミもそれに追随したと言われても仕方のない報道だった。わずかに東京新聞・中日新聞の報道のみが、歯に衣を着せずに原発事故を追い続けているだけだ。

「国民の生活が第一」なら、なぜ安易に原発の再稼働を認めたのか。電力が足りない、産業が低迷すると言うが、原発が全て停止した時期に電力が足りなくなることはなかった。

また、原発が動いている時期から、リーマンショックによる世界的な消費の落ち込みや円高による輸出産業など低迷していたのだ。産業の低迷を原発再開の口実にすることはできない。

こうして民主党政権は迷走を続け、国民の心は離れて行った。

 しかし、だからといって、あの自民・公明政権に逆戻りしたいのか? 「今の日本の政治で一番重要なのは独裁」という橋下率いる維新の会に、国民は自己決定権を委ねたいのか? 

「選ぶ政治家がいない」などど、斜に構えてしまってはいけない。政治家を馬鹿呼ばわりして満足しているなどもっての外だ。

 前回の笹井明子さんの「リベラル勢力の結集を目指して」これこそ、今の私たちの目標にすべきことだ。地元の政治家の人柄をしっかり見極め、世論を起こし、より良い政治家を応援して国会に送り込まなくてはならない。