| 消費税増税を決めた三党合意後の政治風景のあまりの劣化ぶりは、理念なき政治【権力】の末路を示してあまりある。
野田民主党政権の本質は、過去の自民党政権も裸足で逃げ出す超保守主義政権だ。つまり、反国民的・反民主主義的政権である。具体的に見てみれば、その超保守主義【一言でいえば右翼的、独裁的】本質がよく分かる。
マニフェスト(国民との契約=衆議院選挙時の言葉)などはどこ吹く風。消費税はどんどん上げる。国民の大多数が思っている【脱原発】など歯牙にもかけず、大飯原発を皮切りとして再稼働に前のめり。首相官邸前のデモなど、彼にとっては負け犬の遠吠えくらいにしか思えないのだろう。
さらに、武器輸出三原則の見直し、集団的自衛権の会社の見直し、PKOでの武器使用基準の緩和、オスプレイの配備強行、その先には【憲法改正】が見えている。
経済的には、TPP強行をしようと虎視眈々と機会を狙っている。一言でいえば、過去のどの政権より、米国隷従政権であることは明らかだ。この政権がこのまま存続すれば、国民生活は塗炭の苦しみに陥れられる事は、火を見るより明らかだろう。
では野党第一党の自民党・公明党はどうか。「国民の生活が第一」「みんなの党」などをはじめとする野党7党が共同提案しようとしている【内閣不信任案】に対する対応を見ていると、自民党・公明党の権力亡者ぶりが良く分かる。
【消費税増税反対】を旗印にした内閣不信任案には同調できないが、解散を明言しないから内閣不信任案や問責決議案を出すなど、もはや政党としてのレーゾンデートルを放棄したとしか思えない。
彼らの目には、国民の生活の不安、放射能に対する不安、生存に対する不安など何も見えていない。あるのは、【権力欲】まるだしのあさましい姿のみだ。
自民・民主・公明の三党合意というのは、戦前の大政翼賛体制と同じ。消費税増税の本質的議論もなければ、原発再稼働に象徴される原子力村の本質的議論もない。
未亡人製造機と呼ばれるオスプレイの配備に象徴される米国が画策する中国封じ込め政策の背後にうごめく米国および日本の軍産複合体の議論もない。やみくもに中国との緊張関係をあおりたて、軍事拡張路線をひた走る野田政権の危険な火遊びに対する議論もない。
これが野田首相や大手メデイアがはやし立てる【決められる政治】の実体だ。何の事はない。見事な「大政翼賛体制」である。
この底なし沼のような政治の退廃現象こそが、戦前の日本を戦争に駆り立てた。ただ、戦前と違うのは、多くの目覚めた市民の存在とネットの存在である。
毎週金曜日に行われている【反原発デモ】の拡大は、政治の絶望的情況に風穴を開けられる可能性を秘めている。
いまや、悪徳ペンタゴンと呼ばれる既得権益体制の連中は、なりふり構わない手段を弄している。彼らも余裕がなくなっている。いまや、全てのものが、偽物か本物かの厳しいふるいにかけられている。
わたしは、以前にも指摘したが、日本における本格的階級闘争がはじまったと認識している。連合幹部が消費税増税賛成、原発再稼働賛成の立場をとる限り、労働組合さえ、既得権益体制の一員と化したと言わざるを得ない。
つまり、過去のような階級闘争ではどうにもならない時代に突入したのである。誰が敵で誰が味方なのかも分からない時代にわたしたちは突入した、と言ってよい。
この情況を突破するには、誰もが、自らの立ち位置を明確にし、自らの理念を磨き、自らの責任で発言し、行動する、という民主主義の原点に立ち返る以外に方法はない。その最初の表現が、【反原発】デモではないか、と思う。
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