呼出完了
0431 Re: 護憲コラム 鈴木建三 2012/07/16 12:42:46
原発再稼動の犯罪と石原の愚行について

 今私が絶対に許してはならないと考えているのは、原発の再稼動と、石原の尖閣諸島の都有化という、本当に愚劣きわまる政府への挑戦である。

 先ず、原発の再稼動につい・・・
 本質的に、原発は安全ということはありえない
ものであり、人間はウランから出る放射能を止めることはできない。それのみでなく、原発を稼動すれば、そこで使用したウラン、いわゆる使用済みウランは、其の後何十年、何百年という単位でなく、何千年、何十万年以上の、おそらく天文学的単位まで有害な物質を発散し続け、これを止めることは人間は出来ないのである。換言すれば、現在さらに使用済み燃料を作り続けるということは、何世紀先ともいえないはるか先の人類への、計り知れぬ災害を作り続けることである。
 このような人類にたいする犯罪行為を、現在、わずかの期間この世に存在する人間がすることは、人間として許されないことはものすごくはっきりしている。大飯の原発を再稼動させた野田は、自分が人類に対する大犯罪人であることを自覚したことがあるだろうか。こういった行為こそ、その罪は万死に値することなのであり、さっさと地獄にいくべきである。
 これに関連して私が少々気落ちしているのは、私がもっとも評価しない低劣な政治屋(政治家ではない)小沢一郎が、新党のスローガンに脱原発を掲げたことである。
 党名と綱領をすべて党首に一任した、まったく自主性のない五十名近い子分を持つ小沢は、最低限この子分たちすべてを率いて原発反対運動のデモの先頭に立って、対運動のすべての実力運動に
積極的に参加すべきである。そうでない限り、小沢の発言は民意受けを狙ったジェスチャーにすぎないとみるほかない。
 ただし、小沢までこういうことを言い出したということは、この原発反対運動の国民の支持の大きさを物語るものだし、これが、我々より後に来る人類にどういう災害の元なのか広く衆知されれば、今程度の反対で収まらないだろう。我々は、子孫に対する重大犯罪を犯してはならない。原発を許してはならないことは、これで充分明白だと思うので、次に石原の愚行にたいする批評に移る。            
 この問題はどうしても国際問題が絡むから、少し議論が複雑になるのを勘弁して欲しい。
 そもそも、尖閣諸島を日本の領土だと主張し、ここに中国が入ってくるのは領土侵害だと石原は主張しているーーー大体、自国の問題が行き詰まると国外に敵を作りたがるのは。似非愛国者の常套手段であるーーーしかし、太平洋のむしろ北の方の小島列島の日本が、なぜあんな南方の無人島を領有しているのか考えてみよう。どう考えても、神武天皇の時からあんなところに領地をもっていたはずはない。 
 この土地は、勝海舟が「無名の戦い」だと力説した、欧米に対する実力証明のための日清戦争の結果、勝がこの戦争の唯一の口実は朝鮮独立のため
というのだから、この講和で寸土も要求すべきでないといったにも拘らず、遼東半島と台湾をもらったとき、これがロシヤ、ドイツ、フランスを刺激して三国干渉となり、勝の予言どおり欧米の中国侵略を加速させた。遼東半島は一応中国に返したが、台湾はそのままで、第二次大戦後にこれは返したが、隣の小さな尖閣諸島は返し忘れたのである。したがって、一応日本の領土ではある。  しかしよく考えてみると、世界中のあらゆる土地がどこかの国の領土でなければならないというのは、少し妙である。第一次大戦前まで南洋諸島
がドイツ領だったなどというのは不思議というほかない。こんなところは、そこに住んでいた人々が、領土などという変なことを考えないで幸せに暮らしていたはずである。 このもっとひどい例が、領土などといわないでモンゴール人が穏やかに暮らしていたアメリカ大陸である。 
 こういう風に考えると、やたら領土、領土というのが愛国心みたいな顔をするのはどうも正気ではない。誰が入ってもいい土地が世界にあっても少しも変ではない。
  
 ここからもう少し大きな視点で物を考えると、中国や欧米諸国の植民地だった地域で独立したところは、かつての欧米の無謀な領土意識の裏返しで、自国の領土意識が強くなるのはいいことではないが、理解できることである。日本はそれより前に其の欧米の真似をして大失敗した教訓をきちんと自覚すべき国である。           このところ、ジャーナリズムが、中国の軍備を強調する傾向があるが、これはアメリカの原爆基地をもち、軍備をしないはずなのに違法の強力な武力を持ち、アメリカや韓国と共同で南支那海で演習などしている事実と対応するのである。   日本に軍事基地がなくなり、日本自身も完全に非武装になったら、中国だって今みたいに勇ましくならないだろう。米国も中国も戦争をしたら大変なことは少しは分かっているだろう。アメリカも日中戦争の泥沼は判っているはずである。    
 ここで尖閣の問題に戻る。中国が自国領だと主張しているところに日本も領土だと頑張ったらどう考えても話のつきようがない。これを両方がとことん頑張れば、どういうことになるか考えてみるがいい。中国だって、そんなことは嫌だから石原の挑発を止めさせるように日本政府にいってきているのである。
 もう少し視点を変えて、ここは共有地(コモンズ)にしましょうと提案すれば、向こうも考えざるをえないだろう。そして、魚は両方で獲っていいけれど、乱獲すると魚が絶滅するといけないから、獲る量はお互いに決めましょうというほうが賢明であろう。これに台湾が加わってもいい。これは石原も賛成だろう。 、
 私がいいたいことは、石原やそれに賛成する阿呆は、自分では愛国者のつもりかもしれないが、本当は大変な売国奴だということである。世の中に変な正義漢のつもりの自己陶酔者が多いのは本当に困ったことだ。私は変な愛国者を気取るつもりはないが、こういった売国奴は許せない。中国と戦争になったら、アメリカの原爆基地の日本は、人間がほとんど存在できないくらいやられるだろう。
 
 最後に、私は戦争中ずっと東京にいて、東京が丸焼けになるのを見、戦中戦後数年、完全に飢餓
状態で生きてきて、その間頑固に非国民を貫いてきた老人であることを付け加え、最近の世の風潮に抵抗するため、八十をすぎても死ぬわけに行かないと思っていることを付け加えておく。ただし個人的にも死にたいと思っているわけではない、(笑い)