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0418 国民の姿は見えていますか? 笹井明子 2012/04/18 12:12:56
消費税増税と原発再稼動に明け暮れる野田内閣。消費税増税に政治生命をかけると言って、自公に秋波を送り続ける野田総理は、野党時代には「消費税を上げ、医療費を引き上げ、定率減税を引き下げて、風邪から治りかけていた日本経済を肺炎にしてしまった。」「(マニフェストとは)書いてあることは命がけで実行する。書いていないことはやらない。これがルールです」「(税金にたかる)シロアリを退治して、天下り法人をなくし、天下りをなくす。そこから始めないと消費税を引き上げるのはおかしい」と力説していた。

4月14日の福井県知事・おおい町長との会談で「原発を今後とも重要な電源として活用していくことが必要」と言い、15日の講演では「(稼動する原発は)一瞬ゼロになる」と大飯原発の早期再稼動に前のめりの発言をした枝野経済産業大臣。彼はその数日前に衆院経済産業委員会で「できるだけ早く原発への依存をゼロにしたい」と発言していたという。

4月16日名古屋市内の講演で「日本の原発を直ちに止めた場合集団自殺するようなもの」と述べた仙石由人政調会長代行。彼は原発再稼動を実質的に主導する政権内「五人組」のリーダーだといわれている。

野田総理や枝野大臣は、過去の、あるいは直近の発言と間逆のことを言うことに、人として恥ずかしさを感じないのだろうか。原発事故で廃業を余儀なくされ酪農家や野菜農家が自殺したという痛ましい事実があるというのに、「原発停止」を「集団自殺のようなもの」と表現できる仙石氏の感性は、私の理解を超えている。

この人達の「言葉」に対する恐るべき不誠実さ、鈍感さは、そのまま国民生活や国民の命、あるいは国民そのものへの無関心を表していると思われる。

今全国各地で、自分たちの声を国政に届けようと様々な行動が途切れることなく繰り広げられている。「脱原発」の集会やデモには子供を連れた若い親の姿が目立ち、子供の将来への不安を訴えている。

「さようなら原発・1000万人署名」は4月6日現在600万を越える署名が集まったという。「原発国民(住民)投票」運動では、大阪、東京ともに市民・都民投票条例制定を求めるために必要な法定署名数をはるかに上回る署名を集めた。

経産省前のテント村では4月17日から日本の原発が全て止まる予定の5月5日まで「集団ハンスト」が始まった。その他にも経産省前や国会議事堂周辺で自然発生的な少人数でのデモンストレーションが行われている。

私たちの怒りと悲しみのエネルギーは、現在は「議会制民主主義」の秩序を護りながら何とか自分たちの痛切な声・訴えを国会に届けようとする、一見穏やかで健気な行動へと向かわせている。

国政に携わる政治家の皆さん、国民のこうした姿は見えていますか?国民の声に本気で耳を傾けていますか?権力にしがみ付くことを目的化して、政治駆け引きに明け暮れてはいませんか。

水や食べ物を口にすることに日々不安を感じ、新たな原発事故の可能性におびえ、そこに追い討ちをかけるように消費税増税によって‘肺炎’にさせられそうな私たちの忍耐は、もう限界に近づいています。