| 2月のサロン・ド・朔は、護憲+メンバーのお1人、ペンションをご夫婦で営むコナシさんのお話「地域で開く上映会・勉強会」だった。
コナシさんは新聞で「いのちの作法」という映画の上映会があることを知る。そして山梨県から上京して、その映画を観る。
映画は、豪雪・貧困・多病多死の村と言われた岩手県沢内村(西和賀町)のドキュメンタリー。昭和30年代「こんなにいのちの格差があっていいのか」と、深澤晟雄村長は保健師を増やして病気予防に力を入れ、全国に先駆けて老人医療費の無償化と乳児死亡率ゼロを達成した。
その村長の志を今も受け継ぎ、いのちを大切にする村の人々の姿を描いていた。 http://inochi-film.main.jp/ http://www.youtube.com/watch?v=9P3X3zxVID0
コナシさんは、自分のすむ北斗市の人たちにも観てもらいたいと強く願った。そしてパンフレットの「あなたも自主上映をしてみませんか」の言葉に、映画会社に電話を入れる。
まずご夫婦に声をかけて4人、そして周りの人に声をかけて10数人の仲間ができる。会場を決め、ポスターを作り、とうとう800人もの人に観てもらえたという。
余剰金が出て、「いのちの作法」に出ていた児童養護施設のドキュメンタリー「葦牙−あしかび−」の上映会もできたそうだ。 http://www.kazesoyo.com/
それ以降も、いろんな人たちが上映会をし、居心地のよいお店で語り合っては、様々な試みがなされているという。福島第一原発事故の後、福島の子供たちを地域で受け入れ、この市始まって以来の脱原発のデモも行われているそうだ。
「原発都民投票」では、私も同様の広がりを体験した。 http://kokumintohyo.com/
都へ請求する法定数の署名集めの受任者となったものの12月から始まっても最初は家族の署名のみ。〆切近くなっても3分の1と聞き、板の上に署名簿を載せ、ボールペンと印鑑用の朱肉等をもって恐る恐る寒空に立った。
2時間で5人…と、都民投票の掲示板に書いたら、「コツを教えましょう」「一緒にしましょう」と声がかかり、わずか数日、2〜3人で400人くらいの署名を集めることが出来たのには驚いた。また、友人や知人が受任者であることを知り、互いに励まし合えた。
誰かに任せて自分は黙っているのではなく、声に出してみる。呼びかけ、仲間を募る。1人でも踏み出せば、協力してくれる人がいる…と、つくづく思った。
原発都民投票の請求代表人でもある宮台真司氏は、下記のように言う。 「日本はいまだに民主主義の社会ではない。 民主主義を獲得するには政治文化の以下のような改革が必要だ。 〈任せて文句たれる社会〉から〈引き受けて考える社会〉へ 〈空気に縛られる社会〉 から 〈知識を尊重する社会〉へ」 http://www.miyadai.com/
引き受けて考え、責任を持ち、成り立たせるために一歩を踏み出す。それが市民社会の成熟につながるような気がしている。
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