呼出完了
0393 Re: 護憲コラム せっちゃん 2011/10/19 07:31:27
現場からの報告−一つの新しい“絆”の再生への歩みが始まりました−
Sさんが「やっと、娘と孫に会えるようになった!12月の年金が入ったら、会いに行く、・・万・・!」と古里のO市の饅頭を土産に事務所に来られました。「よかった!よかった!待望の孫に!よかった!おめでとう!」と肩を抱いて一緒に喜びを分かち合いつつ、「ヌ!アルコール臭!・・・」と頭をかすめる職業病に自己嫌悪!
Sさんは、O市の原発孫請け業のおっちゃんの下で原発を渡り歩き、線量との関係で仕事の端境期に生活困窮状況に陥り微罪での累犯でした。面談で発達遅滞傾向が強かったので、服役中に手帳申請をし、矯正施設を出てからの手帳取得となりました。AP入居後、「年金+通所型就労(+生保)」で生活の安定を図る方途で合意し、施設見学も試みましたが、通所レベルでは満足できない表情で「おっちゃんのところに行けば何時でも仕事ばあると。」との主張とO市での仕事探しの旅費請求を繰り返す中で、“AP入居の保全と安定した自立的な生活の保全を”との想いとの攻防がありました。が、何とか切り抜けてアパートでの入居生活が落ち着きました。安定し始めたかなと思い始めた頃に”3.11”があり、一時は“原発事故現場への引き抜き”への危惧で私たちは緊張しました。がしかし、「生活の安定」という状況の変化の中で、10ヶ月前の“Sさんのこだわり”を自ら越えることが出来たと云えます。そして、念願だった”5年ぶりの娘と孫との出合い”に興奮しているSさんの今があります。自らの力で、新しい出発の時を年末、新年を通して、確かなものにして欲しいと願っています。
 また、Sさんは、ホームレス状況のAさんに、「相談しなっせ。そしたら生活ばでくるごとなっとばい。わしもそげんかけん」とAさんに勧めましたが、「わしゃ人様の世話(生保の)にゃならんけん。働らくっと。」と生保に対する強いこだわりがあり、“相談”の件を断られました。そこで、Sさんは、Aさんが自活の為に缶集めをしていることから、その手伝いとして、早朝から、缶集めをして彼に渡し、Aさんの生活支援ボランティアしていました。が、早朝に缶を集めての缶潰しは、“騒音”を伴うことから近所から苦情が出ることになり、“缶潰し”はAPから離れた場所で行うことで、近所の苦情とAPの管理会社の危惧への理解を図ることにしました。Sさんの誠意が、Aさんの心を包み込み、“相談”から“路上からの脱出へ”と繋がることを祈念しつつ、Sさんの自らのホームレスボランティア活動に心から感謝しています。
 Sさんは、“支援される自分”から生活が安定していく中で、彼本来の“お人好し”の性格を取り戻し、支援者としての“私”と孫にニコニコするおじいちゃんの“私”の世界を取り戻しつつあり、新しい“絆”の再生の明日へと歩を進めています。そして、そうしたSさんの姿が、私たちに“励ましのエール”となって、私の明日へのエネルギーへと転化しています。