呼出完了
0384 現場からの報告−蘇った生命を大切にと願いながら− せっちゃん 2011/08/25 14:37:47
支援対象者のAさんは、矯正施設で最初に面談した折には、糖尿病の症状についての本人や入所状況の聞き取りでは、重い合併症の疑いを持ち得ませんでした。そこで、当初は、更生保護施設→外来受診・治療→施設入所での方向性での合意形成となりました。

しかし、面談後3ヶ月程を経る中で、糖尿病及び合併症状が進んだ様で、約1ヶ月後満期が近付いた面談時に、車椅子で現れ、糖尿病性網膜症の症状と思われる「ぼんやりみえる。飛びものが見える(飛蚊匠)。等」や糖尿病性神経症と思われる「下肢や腕の痺れ・痛み・真っ直ぐ立てない等」が訴えられたので、面談後、従来の出所後の対応方針の修正を図り、「出所後直ちに、外来受診即入院治療とその後の状況対応による施設入居の方向」を確認し、直ちに、受入れ先病院探しと折衝を始めました。

しかし、中々受入れ先病院が決まらず、最悪の場合「出所即救急車による救急搬送」も頭を過ぎる自分に「ハッと」したりしながら、担当の電話応答と病院訪問後の焦りの目を次につなぐ背中を押す日々・・・・。そうした矢先に、矯正施設から「Aさんが重篤な容態になった。」との連絡が入りました。
 
矯正施設には治療や手術等が出来る病院施設があり、施設による治療対応が出来る体制にありました。(しかし、病院での治療環境が最適であることには変わりはないと云えます。)担当者は面会を申し入れましたが、「面会謝絶状態」ということで直ぐには面会が出来ませんでした。

Aさんの唯一人の親縁者でもある息子からは関係を拒絶されている状態だったので、万が一の場合について、「どう出来るのか」の検討と同時に、矯正施設での刑期中の場合を問い合わせると、矯正施設で総て措置する、と云うことでした。その後、少し容態が落ち着いたということで、担当者面会が許されましたが、「危ない」との報告でした。
 
そうした状態が続く中で、矯正施設の福祉士のご努力・協力をいただき、出所後の受入先病院が決まり、出所日も迫ったので、「病院への移送」を探ることになり、矯正施設の福祉士の連携・ご尽力のおかげで、満期まで数日を残し、また、満期日が休日の為、病院の体制が取れないことも相まって、担当刑務官のご尽力をいただき、満期前での病院移送の決定を得て、矯正施設の救急車搬送の入院となりました。勿論、残刑期入院中は、刑務官の監視下におかれます。満期日後は、監視体制が解かれる中での入院治療となります。

入院治療のお陰で、ベッドで起き上がり、話せるようになり、また、リハビリ治療も始まり、車椅子状態から杖での病室内散歩と入院後の2ヶ月で見違える程元気になりました。本当に、ありがたいことです。他の面談の際、矯正施設担当官に状況を報告するとびっくりしながら、大変喜ばれました。
 
さて、元気になると新たな課題が浮上します。「次の施設へどう繋ぐかと同時に、Aさんが抱えている累犯過程での諸課題の伴走的協同解決をどう図っていくか。Aさんとそうした課題に共々にどう立ち向かっていくか。」です。快方へ向かうと同時に、段々と我儘な要請がエスカレートしつつあるからです。これからが、本番と云えます。蘇った生命を大切に、最後は豊かな人生をおくっていけるように共に歩きたいと願っています。