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0370 核廃棄物処分に『100,000年後の安全』はあるのか? 2011/05/25 00:22:26
たいへんな悲惨が、今福島第一原発を中心に進行中だ。この3つの原子炉で炉心融解(メルトダウン)を起こした事故がそう簡単には収束しないことは皆が感じているだろう。福島原発の近くは当分、住めないのではないか。また日本人は当分、放射性物質と共存する覚悟を決めて生活しなくてはならない。

原発が危険だという指摘は、2,30年前からされていた。「安全だと信じていた」という人がいるが、「安全と信じたかった」に過ぎないだろう。

原発は少なくとも2つの点で、絶対に危険だし、存在してはならないと思う。

1つは事故の危険性。日本の原発での事故は10数回も起きている。地震の危険性は今回証明されてしまったし、人間はミスをする。チェルノブイリ、スリーマイル、東海村JCOの臨界事故(レベル4)などもそうだ。また、テロの危険性もある。

もう1つは、原発はトイレなきマンションと言われるように、放射性核廃棄物を出し続けるということ。この始末は全世界的に大問題になっている。

『100,000万年後の安全』という映画はそれを描く。
http://www.uplink.co.jp/100000/

フィンランドは、ロシアからの天然ガスや石油にエネルギーを頼っている。しかし歴史的経緯から万が一ストップされたらという恐怖がある。そのためチェルノブイリ以後も原発を選択した。4基が稼働中で30%の電力を賄い、1基建設中、2基計画中だ。

その選択は、放射性核廃棄物の最終処分の問題に突き当たる。

再利用のプルサーマルは技術が安全でないし、何より核爆弾の材料となるプルトニウムの流出が考えられるとして不採用。ロケットに詰めて太陽に打ち込む案は墜落や爆発の危険、海底深く捨てる案は見えない所での地殻変動などの危険で不採用。最終的に取られたのは地下に埋める案だ。

2001年に決定された場所は、ヘルシンキから西に240km、ボスニア湾内の島オルキルオト。岩盤が古く丈夫だという。 2004年、地下500mに貯蔵施設オンカロ(隠れた場所の意)に着工。ウランのなくなる数十年後まで使用し、2100年に閉鎖、埋める計画だ。

果たして未来の人類に対して安全なのか? 埋めた後に人類が近づき、好奇心で掘り返さないような標識はと、8ヵ国語と骸骨やムンクの「叫び」の絵で危険性を知らせようという話。それでも「不確実で予測不能」と、インタビューされた関係者は語る。

この慎重に計画されたフィンランドの処分場でさえ、未来の人々に安全とは言い切れない。それに比べて、真下に活断層がある六ヶ所村の危険性。

地震国日本での放射性核廃棄物の処分は不可能だ。今も原発は核廃棄物を製造し続けている。すでに全世界で25万トン。その処理問題の困難さに、暗澹とさせられる。

これはオンカロを調査した日本の報告。図があるのでオンカロの構造が良く分かる。しかし、最後の〆は?いったいこの報告者は、何を学んだのだろう。
http://www.jsce.or.jp/committee/rm/News/news8/Onkalo.pdf