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0352 対米関係と憲法の空洞化 鈴木建三 2011/02/07 21:29:34
今日は久しぶりに曇ったせいか、いつもよりさらに頭が悪くて話がまとまりそうにないが、今の一番大きな問題は、対米関係と憲法の空洞化だと思うので、その二つに関して思っていることを書いてみることにする。

最初に対米関係について言うと、アメリカさんの日本支配は占領下よりも今の方が全面的なような気がする。

というのは、占領下ではアメリカが支配しているのが明瞭だったので、逆に日本人の実生活、人間の内部まではあまり干渉しにくい面があったと思う。

もちろん、2.1ストの禁止とか、警察予備隊の創設命令などという明らかな干渉はあったが、国民の側にも、川崎南部の労働者の独立行動隊の動きとか、火炎瓶メーデーといったはっきりした運動もあり、GHQもそれを潰すには日本国民への一種の配慮が必要だったと思われる。(ついでに言えば、小生の弟、私よりはるかに覇気があり、勉強もずっと出来た弟はこのメーデーに参加し、アメリカ軍の車に火炎瓶を投げた後、少し体調を崩し、当時のヤブ精神科医による流行の電気ショック療法で被害妄想まで背負い込んで、一生を棒に振った。)

ところが、最近のアメリカの支配は当時よりはるかに陰湿で強力だと思われるのに、それに対する日本国民の抵抗は皆無といってよい。

たとえば、沖縄の基地を国外に移すと言っていた鳩山は、アメリカ詣でを一度すれば、一転して抑止力などという挑発的な妙な言葉をでっち上げて、二度と基地の海外移転などとは口にしないし、その後の菅ははじめからアメリカさんの言うなりである。

ここまで考えて憲法問題を考えてみると、憲法改悪が必ずしも意図する側が勝つわけではないと悟った彼らは、戦法を変えて、表面上の字面の改悪ではなく、その内実の実質的変更によって国民にこの改悪をも当然だと思わせようとしているようにみえる。

たとえば南支那海で米日韓の連合大演習をするとか、憲法上はないはずの日本の軍用機が南支那海を飛び回って中国の飛行機を挑発するといったことをして、外国との緊張関係を強調し、防衛の必要性を強調するといった類のことは枚挙にいとまがない。

しかも、実質的にアメリカの占領下にある日本人はその点には大変無神経で、本来は日本に関係なかった土地でも、日本の領土なんていう妙なものが今でも健在のつもりで、領土を護るためには戦争でもするつもりの人間まで存在する。

そこで私は、自分の現憲法、特に九条の受容の歴史を一瞥しておく。

私は対米戦争は負けだと思っていたから、(といっても、日本は戦争を始めた連中すら勝つとは思っていなかったのに、緒戦で勝ちすぎて、軍人どもだけでなく一般国民まで舞い上がってしまった)終戦近くには、どうやって、いわゆる味方に撃たれずに降参できるかを考えていた。だから終戦の時にはその危険を冒さずに降参できたのが嬉しかった。

それからじきに出来たのが現憲法で、戦争拒否の憲法だから私は大歓迎で、今でもこの形を実質的に護る方が、外国の攻撃を受けないと思っている。しかし、ある種の人々が主張するように、外国が攻撃してきたら、降参するだけである。(ただし、毎年五兆もの軍事費を使っている現状の日本が非武装国家だと思う外国はないだろうから、アメリカの軍隊に占領されて、その庇護の上に、強大な自国の軍隊を持っている現状は一刻も早く止めた方がいい。)

この降参案が嫌で国防を説く楽天的な方は、本気で、自分が人殺し(それが、あまり自分の罪の実感がない大量破壊兵器によるにせよ)をする気があり、当然自分も殺されるつもりがあるのかを聞きたい。

私は降参して、わたしのよしとする日本の文化だけを護りたいと思う。